2013 Fiscal Year Annual Research Report
安定した高い粘膜再生能を有する培養粘膜の開発-口腔粘膜上皮前駆/幹細胞の応用-
Project/Area Number |
23592982
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
芳澤 享子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60303137)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
|
Keywords | 移植・再生医療 / 口腔顎顔面再建外科学 / 口腔粘膜 |
Research Abstract |
私たちはティッシュエンジニアリングの手法を用いた培養口腔粘膜(EVPOME)の開発とその臨床応用を行い、同時にその粘膜再生能について動物実験モデルより基礎的にも検討を重ねた結果、EVPOMEは口腔粘膜を良好に再生させることが明らかとなった。しかしながら、現在の培養方法では、得られる上皮細胞は増殖能、分化能が不均一な細胞集団であるため、患者によっては細胞増殖が遅く、そのような細胞は成長因子の放出量が少なく、培地内グルコース消費量が少ない、いわゆる細胞増殖能の不良なEVPOMEが作製される恐れがある。本研究の目的は、増殖能の高い均一な細胞集団である口腔粘膜上皮前駆/幹細胞を選別し、それらから作製したEVPOMEの粘膜再生能および再生機構を評価することである。平成23、24年度ではヒト口腔粘膜より上皮細胞を採取、培養し、口腔粘膜上皮前駆/幹細胞集団と考えられる小型細胞集団を選別して、両群の細胞集団について、細胞増殖能を比較するとともに、EVPOMEを作製してラットの背部皮下に移植し、継時的に肉眼的、組織学的に検討した。その結果、小型細胞集団よりなるEVPOME移植群の方が上皮層の伸長と重層化が促進されるとともに、血管新生も目立った。最終年度では免疫組織化学的に検索したが、小細胞集団よりなるEVPOME上皮の方が背部移植後もKi-67陽性細胞が多く、より高い細胞増殖活性を維持していることがわかった。このことより安定した高い粘膜再生能を有するEVPOMEの作製が可能であることが示唆された。
|