2013 Fiscal Year Research-status Report
子どものヘルスプロモーションのための食育推進:母子支援方法の探索研究
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23593106
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
田村 文誉 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (60297017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八重垣 健 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (40166468)
西脇 恵子 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (20398879)
菊谷 武 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20214744)
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Keywords | 摂食機能 / 医療福祉 / 母子支援 / ヘルスプロモーション / 離乳 / 食育 / 育児負担 / 摂食相談 |
Research Abstract |
平成23年度に実施したアンケート調査結果の検討を進めた。東京都、山梨県、沖縄県にある幼稚園に通う0歳から6歳までの子供の家庭890に調査の協力を求め、576家庭からの回収結果にもとづき、回答に不備のあったもの、3歳未満の子ども、片親家庭、回答者が母親以外の家庭から得た回答(回収率64.7%)について検討した。 子供の食事に関する悩みに関する質問として,Morris ら(Morris et al,: 2000)のParent Mealtime Questionnaire-Eating and Drinking Skills-,2因子26項目をもとに,研究者独自の項目を加え抽出し、①「食事に関するマナー」の9項目、②「口に関わらない食事のマナー」の3項目、③「食事摂取量」の4項目、④「偏食」の5項目、⑤「全身の健康状態」の6項目からなる計27項目を抽出した。また中島の育児負担尺度について、子どもに対する「否定的感情の認知」4項目と、育児に伴う母親自身の「社会的活動制限の認知」4項目それぞれ分類し、子どもの食事に関する悩みとの関連を検討した。その結果、食に関する悩みの5つのカテゴリーでは、4歳児から6歳児のそれぞれの年代ですべて、「食事に関するマナー」が最も多く選ばれた。(4歳児-52%、5歳児-59%、6歳児55%)。子どもの年齢別での母親の育児負担を比較したところ、4歳児と6歳児の間に有意な差を認めた(p=0.002)。以上の結果より、食事に関する悩みは、多くの母親に共通するものであり、悩みの傾向はこどもの成長と共に変化していき、こどもの成長に伴い母親の育児負担度は減少することが示唆された。 この内容を第11回多摩療育と栄養研究会で発表した。 また、3か月以上継続して摂食指導を受けている患児とその保護者に対し、育児負担と摂食指導の関係についてアンケート調査を行い、検証を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に実施したアンケートの追跡調査として、沖縄県の3か所の幼稚園に通園していた子どもの調査が、その後進学先である小学校にて進行中である。また、平成25年度に開始した摂食指導に関する母親の意識調査についても継続しており、より具体的に支援を必要としているケースの実態把握も進んでいる。 今年度は既に実績を国際学会で一部発表済であるが、最終的な総括をJADRで発表予定とし、報告書をまとめていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
また、3か月以上継続して摂食指導を受けている患児とその保護者に対し、育児負担と摂食指導の関係についてアンケート調査を行い、検証を進めた。その結果を、4月にアメリカシカゴで行われた第26回Special Care Dentistry で発表した。平成26年度は、平成23年度に実施したアンケート調査の追跡を、沖縄のフィールドで実施し、問題解決がなされたかについて検証する。 さらに3年間の調査結果を検証し、子どもの食行動・摂食機能評価と、母親の育児ストレスについての関連性を比較する。それまでのデータについてまとめ、報告書を作製する。また、4年間の研究で得られた成果について、国際歯科学会等において報告、論文発表を行う。
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Research Products
(5 results)