2013 Fiscal Year Research-status Report
末梢静脈内留置カテーテルのアセスメント能力を向上させる教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
23593134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 智子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80184761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿曽 洋子 武庫川女子大学, その他部局等, 教授 (80127175)
伊部 亜希 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80452431)
辻本 朋美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00510885)
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Keywords | 静脈留置カテーテル針 / 動画教材 / 練習用具 |
Research Abstract |
静脈留置カテーテル針を用いた末梢静脈からの輸液療法は、病院で頻回に行われる医療行為であり、看護師が診療の補助業務として穿刺・留置することも多い。この穿刺・留置技術は侵襲が大きいため、基礎教育の段階で具体の手技を練習することはなく、入職後の現任教育に委ねられているという現状がある。そのため各病院では安全で安楽な輸液療法の実施に向けて、基礎的知識と手順を記した教材を作成し、医師や看護師が円滑に技術を習得できるよう工夫をこらしている。新採用の看護師は、施設ごとに用意された教材を利用しながら集合教育や個別指導によって基本的な手技を習得した後に、実際に患者に実施しながら経験を重ね上達していく。 この上達に至る過程を短縮させ、失敗による患者の苦痛を減らすためには、熟達者のすぐれた技術をイメージしながら、いつでも、どこでも、ひとりで練習が可能な用具の活用が望まれる。熟達者の技術をイメージできる視覚教材は既に現場で撮影した10場面から適切な資料を準備した。そこで、練習用具について探索し、候補となる用具を比較検討し、目的に合致した練習キットを準備することができた。 なお、当初、2台のビデオカメラによる撮影を予定していたが、現場の撮影環境による制限から1台のみでの撮影とした結果、2台目の購入経費が未使用額となったため、次年度まで事業期間を延長することとしたので、診療現場での穿刺・留置成功率以外で教育効果を検証する方策を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病院に勤務する看護師を対象とした教育プログラム評価として、静脈留置カテーテル針の穿刺・留置成功率を実際に比較できることが望ましい。しかしながら静脈留置カテーテル針による輸液療法が必要となる医療現場で、その調査を行うことについては通常業務に支障を与える可能性がある。 そこで、実験環境での観察を検討し、その観察項目として手技に要する時間と、穿刺・留置成功に影響する指腹圧の測定を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
末梢静脈内に留置カテーテルを確実に挿入するためには、まず挿入する静脈を適切に選択できなければならない。適切な静脈が皮膚に浮き出たり透けて見えたりする場合には、前腕部を手指で触れながら静脈を探すことになるため、学習プログラムの中で指先の感覚を鋭敏にするトレーニングを組み入れたいと考えている。 そこで、指腹圧を測定できるセンサーを導入し、学習者に指先の感覚をフィードバックできるプログラムを作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
病院で実際に行われている末梢静脈内留置カテーテル穿刺の場面を、1台のビデオカメラで撮影し分析する計画としていた。しかし現場の撮影状況では、1台のビデオカメラしか持ち込むことができず、2台目のカメラ購入経費が未使用額として発生した。 末梢静脈内に留置カテーテルを確実に挿入するためには、まず挿入する静脈を適切に選択できなければならない。適切な静脈が皮膚に浮き出たり透けて見えたりする場合には、前腕部を手指で触れながら静脈を探すことになるため、教育プログラムの中で指先の感覚を鋭敏にするトレーニングを組み入れたいと考えている。 そこで、指腹圧を測定できるセンサーを購入し、学習者に指先の感覚をフィードバックできるプログラムを検討している。
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