2013 Fiscal Year Research-status Report
災害医療における看護師のトリアージ教育法の研究開発に関する研究
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23593150
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
武島 玲子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (30188180)
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Keywords | 災害看護 / シミュレーション教育 / インストラクションデザイン / スキルラボ |
Research Abstract |
これまでの研究結果から、インストラクショナルデザインを用いて、臨場感があり失敗から学べる災害時外傷看護のプログラムを作成した。都市型地震災害の発生直後、出血や骨折の成人傷病者の救護所・病院搬送までの初期対応とトリアージを想定したシナリオである。都市型震災での現場救護所における看護に必要な動作を課題分析し、その目標を作成・明記し、骨折・外傷を有するシミュレーションシナリオを作成した。はじめに本プログラムを学習する対象者、目的、達成度などを検討し、学習目標を決定した。また、事前学習(シミュレーションを行うために必要とされる知識・技術・態度)の内容を作成した。次に、アウトラインシートとして、傷病者状況、学習目標に準じた学習者に期待すること、シミュレーション実施中のファシリテータの留意点、傷病者の状況などを作成した。また実際にシミュレーションを実施する際の設営と必要物品のシート、ファシリテータの役割分担シートも完成させた。シミュレーション教育では重要なデブリ―フィングについては、学習目標とその実施のポイントを作成した。この研究成果は、「インストラクショナルデザインを用いた災害外傷看護シナリオシミュレーション教育法の開発」(瀧本幸司、福田友秀、武島玲子)として、日本災害看護学会第15回年次大会(札幌)2013.8.22-23で発表した。 また、これまでの研究成果を論文にして発表した。 ①茨城県立医療大学卒業生の「スキルラボ」についての意識調査.武島玲子,福田友秀,大澤侑一,正田傑,瀧本幸司.茨城県立病院医学雑誌 30(1):11-20, 2014 ②2013年度オープンキャンパスでのIPUあいらぼ参加者アンケート報告.増成暁彦,武島玲子,黒田暢子,岩本浩二,伊藤文香,大久保和幸,髙村祐子,福田友秀,瀧本幸司,正田傑,大澤侑一.茨城県立医療大学紀要 19:151-160, 2014
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
災害時外傷看護のシナリオ、シミュレーション教育方法の開発における教材の作成は完成したが、その教材を実際に試用する段階にはいたっていないため、本研究の達成度はやや遅れた状況である。 高度なシミュレータが今年度半ばに購入されたので、使用できる期間が短かった。そのため、作成したシナリオを災害受傷マネキン(災害時外傷モデル)シミュレータを運用することは完成できなかった。次年度はそのシミュレータを利用して、開設されたスキルラボで災害受傷マネキン(災害時外傷モデル)シミュレータを運用して研究を推進する。実際に学習者にシミュレーション教育を実施し研究を急速に推進していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の出血・骨折の災害時トリアージのための教育方法の開発研究を基にして、その後、脊髄損傷、体の一部が挟まれている時、化学熱傷等について行う。備品は、サクションユニット(レールダル社、1台、178,000円)が必要である。研究計画は、作成した災害モデル教育に対し、一次トリアージの学習方法を作成する。次に作成された災害時負傷モデルシミュレータを使用して、マニュアルを作成し、本学看護学生や病院看護師の協力を得て、シミュレーションの試行を行う。 次の段階として、看護師が災害現場では何を優先するのか、負傷者の外傷や疾患に、何をすることにより状態の悪化を回避できるかを考える。また、限られた資材を有用に使用する工夫から治療やケアができるようになることに重点をおき、そのための教材作成をする。そのなかで本研究者、研究協力者、救急医などが集り、問題点の協議、検討する。学習法を地域の看護師に受講を要請し、アンケート調査を実施検討し、再度検討する。また、振り返り学習のためにビデオ録画し、その評価をする。 これらの計画に、これまでの研究成果の発表、独立行政法人国立病院機構災害医療センター見学等の旅費300,000円、人件費・謝金(専門的知識の提供、シミュレーション試行参加協力者への謝礼)50,000円、その他(消耗品、印刷代など)200,000円を計画する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
災害時外傷看護において出血や骨折のある傷病者のシミュレーションのシナリオは完成したが、それを災害受傷マネキンに運用することはできなかった。実際にシミュレーション教育を実施できなかったので、消耗品の準備まで至らなかった。また、その際に使用する吸引ユニットも購入しなかった。 また、当初予定していた災害医療の教育を担当している独立行政法人国立病院機構災害医療センターへの見学もできなかった。次年度には是非見学する予定である。 今年度作成したシナリオを実施し、新たなシナリオを作成する計画である。また、研究結果をまとめて学会発表や論文作成を行う。そのために、備品として吸引ユニット(178,000円、レールダル社)、研究成果の発表や災害医療センターの見学等の旅費150,000円、人件費・謝金(専門的知識の提供、シミュレーション試行参加協力者への謝礼)200,000円、その他(消耗品、印刷代等)200,000円を計画する。
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Research Products
(3 results)