2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593181
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Research Institution | Miyazaki Prefectual Nursing University |
Principal Investigator |
長坂 猛 宮崎県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30332977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美智子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (30249700)
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Keywords | 入眠 / 温罨法 / 眼部 |
Research Abstract |
本研究の目的は、温罨法が入眠にもたらす効果を実験的に調べることである。 2012年度には、20代の健康成人(女性)8名を対象として、ホットアイマスクの有無による入眠の違いを調べた。また、対象者のうち5名については、頸部へ温罨法を適用した場合の反応と比較した。各対象者は、普段通りの時刻に就床し、入床時に10分ほどアイマスクを着用した。前年度に確立した方法に則り、睡眠中の自律神経活性を評価するために、就寝中は連続的に心拍を測定した。ふとんの下に体動センサーを設置し、体動から睡眠得点を評価した。起床時には、OSA睡眠調査票を用いて睡眠に関する主観的評価を記録してもらった。アイマスクの効果を対比するため、今回は条件を3つに設定した。アイマスクをつけず、普段通りの睡眠をとするものを「対照条件」、ホットアイマスクを用いて睡眠をとるものを「ホットアイマスク条件」、頸部に温罨法を施すものを「頸部温罨法条件」とした。実施日を変え、この3条件の実験を同一対象者に実施した。昨年までに得られたデータと同様に、全ての条件において経時的に心拍数の減少が見られた。心拍変動から計算した交感神経活性は、3条件とも減少したが、頸部温罨法条件が最も下がった。同様に副交感神経活性については、ホットアイマスク条件と頸部温罨法条件で上昇が見られた。頸部温罨法条件で、入眠潜時が最も短く、睡眠得点が高かった。OSA睡眠調査票によって算出された「起床時眠気」、「入眠と睡眠維持」、「夢み」、「睡眠時間」の因子については、ホットアイマスク条件と頸部温罨法条件の得点がいずれも対照条件より上回った。2011年度に引き続き、ホットアイマスクの着用が入眠時の緊張緩和につながる結果が得られた。ただし、より効率的に入眠を促すには、罨法を適用する場所を考慮する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度実施できなかったメラトニンの分析方法を試すのと、眼部温罨法と頸部温罨法の比較に時間を要したため、本年度の到達度が遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果をもとに、対象者の数を増やす計画である。効果の季節的な違いについて調べるため、2期の実験期間を設定し、同一対象者に参加をいただく予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に参加していただく対象者への謝礼がメインになると考えている。必要となる機材は概ね揃えたが、現在の数では同時期の調査には限界があるため、心拍計を追加購入する予定である。また、作図等の必要性があるため、ソフトウェアの購入も予定する。
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Research Products
(2 results)