2011 Fiscal Year Research-status Report
高齢・過疎化の進行する地域における災害時要援護者対策看護プログラムの開発
Project/Area Number |
23593198
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
前川 宣子 (河原 宣子) 京都橘大学, 看護学部, 教授 (00259384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 淳 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50224746)
野島 敬祐 宝塚大学, 看護学部, 助教 (70616127)
穴吹 浩子 京都橘大学, 看護学部, 助手 (40582870)
岩山 朋裕 京都橘大学, 看護学部, 助手 (30460687)
上山 晃太朗 京都橘大学, 看護学部, 助手 (40460688)
江間 祐恵 京都橘大学, 看護学部, 助教 (90434670)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 災害看護 / 災害時要援護者対策 / レジリエンス / 防災・減災 |
Research Abstract |
我が国は,その位置,地形,地質,気象などの自然的条件から,台風,豪雨,豪雪,洪水,土砂災害,地震,津波,火山噴火などによる災害が発生しやすい国土である.1995年の阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件以降,急速に災害看護に関する意識が高まり,その後に発生した災害においても,多くの研究・実践活動がなされてきた.その内容は,国内外における災害発生前・中・後の災害看護のあり方を問うものや災害看護教育等多岐にわたる.その後,2011年3月11日に発生した東日本大震災は,さらなる災害看護の学問的発展の必要性を看護界に投げかけた.発災から1年以上が経過した現時点においても,仮設住宅での生活を余儀なくされている被災者,原子力発電施設事故により住み慣れた地域を離れて暮らす避難者が存在する.さらに,東日本大震災後も風水害による被害が相次いだ.全国で東日本大震災や台風12号災害の復興に向けた多くの活動がなされ,看護界においても新たな知見が見いだされている.そこで,今年度は,東日本大震災や台風12号災害での災害看護活動状況を踏まえ,災害時要援護者対策看護プログラム立案・実施・評価のための文献検討を中心に研究活動を進めた.文献検討は,災害看護学,訪問看護学,地域看護学等看護学の文献をはじめ,災害医療,社会学,危機管理研究等多分野における国内外の文献検討を実施した.その結果,災害時要援護者対策看護プログラムの立案・実施において「レジリエンス」の概念が有効であることが示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日に発生した東日本大震災および9月に発生した台風12号被害の影響により,当初計画していた地域での実践活動の変更を余儀なくされた.また,東日本大震災からの教訓を災害時要援護者対策看護プログラムに盛り込むことが必要と考えた.したがって,今年度は,再度研究計画を見直す目的で,これまでの災害時要援護者対策活動の評価と文献検討を徹底した.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の文献検討で得られた結果より,レジリエンスの概念を研究計画に組み込むこととする.次年度以降は,特に,災害サイクルの復旧復興期における看護プログラムをレジリエンスの視点から検討し,被災地および被災地以外の看護職と事例検討を行いながら,災害時要援護者対策看護プログラムの立案と実施を検討していく予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前述のように,東日本大震災および台風12号被害による影響で今年度はフィールドでの研究活動が実施できない状況であった.次年度はさらに活動フィールドを広げて研究を進め,また,国際的な知見を得るために国際学会へ参加するため,旅費の使用を予定している.また,研究協力者への謝礼や翻訳等の費用も使用予定である.被災地での活動においては,慎重な倫理的配慮を行い,被災者である看護職の負担を軽減するように努めていく.
|
Research Products
(3 results)