2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔内の生体防御能の促進に向けた看護口腔ケアモデルの開発
Project/Area Number |
23593201
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
道重 文子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00274267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
恩幣 宏美 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (20434673)
仲前 美由紀 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助教 (40434675)
原 明子 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (70585489)
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Keywords | 口腔ケア / 口腔内細菌 / 生体防御 / 易感染者 |
Research Abstract |
口腔衛生状態を維持するためには、口腔内の状態に適した方法でのケアが必要であるため、医療療養型病院に入院中の患者で、代諾者より研究への同意の得られた53名を対象に口腔状態を診査し、現状の口腔ケアの課題を検討した。診療録より、病名および治療内容、ADL等の基本情報を収集し、口腔内診査を2012年8月に実施した。そのうち、有歯顎者16名の口腔内総菌数をPanasonic細菌カウンタ(品番:DU-AA01NP-H)を用いて舌上の菌数を測定した。また、唾液量は、気管カテーテルキットを用いて100mmHgにて3分間吸引し採取量を測定した。対象者は、男性15名(平均年齢77.3歳。61歳~86歳)、女性38名(平均年齢84.0歳、56歳から100歳)であり、入院時の原疾患は、脳梗塞後遺症25名(47.1%)、パーキンソン病4名(7.5%)、クモ膜下出血後遺症3名(5.6%)、その他脳挫傷後後遺症等4名(7.5%)であった。 食事は、経鼻経管栄養者4名(7.5%)、胃瘻42名(79.2%)、経口摂取者6名(11.3%)であった。気管切開者は9名(17.0%)、無歯顎者は12名(22.6%)であり、口腔内の総細菌数は、レベル2(105個~106個)は1名、レベル3(106個~106.5個)は2名、レベル5(107個~107.5個)は7名、レベル6(107.5個~108個)は5名、レベル7(108個以上)は1名で、標準であるレベル4以下は2名のみあった。唾液量は、採取できなかった者が2名、平均0.26 ml/minで、口腔乾燥症を示す0.1 ml/min以下は4名であった。有歯顎者の口腔ケアは、1回/日、オキシドールを1.5倍希釈したものかマウスウォッシュを使用してブラッシングが行われ、綿棒で拭きとりが行われていた。対象者の歯の状態に合わせたケアの必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
易感染宿主の口腔内の細菌数については、把握ができ、特に口腔ケアについて工夫が必要な対象は気管切開中の患者であることが明らかになった。液性成分の分析については、研究者の実験施設の整備の都合上およ唾液の採取量が少なく分析にまで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで調査ができたのは、療養型病床群に入院中の患者であった。対象者を、健常者、および化学療法中や透析患者を追加し、分析をすすめる。各種の口腔ケアやマッサージ等の代替・補完療法や口腔機能訓練を含めた看護ケアの口腔内細菌数や液性成分,口腔湿潤度への影響の調査を行い、各対象者に適切な口腔ケア法を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述の通り、研究の遅延に伴い未使用額が生じている。未使用額および次年度の研究費は、サンプル採取に関わる容器や試薬の購入、および分析のための研究支援者への謝金、研究打ち合わせおよびサンプル採取に関わる旅費、学会発表のための参加費、旅費に使用する。
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Research Products
(2 results)