2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔内の生体防御能の促進に向けた看護口腔ケアモデルの開発
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23593201
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
道重 文子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00274267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (70189801)
恩幣 宏美 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (20434673)
仲前 美由紀 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (40434675)
原 明子 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (70585489)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔ケア / 高齢者 / 口腔内細菌 / 唾液 / 生体防御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、易感染宿主である高齢者や脳血管障害者、経腸栄養者、化学療法や透析中の患者を対象に、看護の視点から、口腔内常在細菌叢を維持し、口腔に備わる局所の生体防御機能を損なわず、かつこれを賦活するような口腔ケアの方法を開発することである 本年度は、1)2012年10月の調査時との比較 2)無歯顎者を対象者に追加し、有歯顎者との比較 3)口腔ケア後の口周囲の循環状態をサーモグラフから分析し、唾液分泌量との関係の結果から、口腔ケアの効果を検討し、ガイドラインを作成する事を目的とした。 1)2)の口腔内環境に関する調査項目は、現在歯数、口腔の清掃度、歯石、歯肉出血、口臭、舌苔、口腔乾燥、口腔内細菌ついてであった。歯の状態は、健全歯が少なく残根が多いが抜歯以外の治療がされていない状況であった。口腔内環境は個人差が大きく、食事、歯数、気管カニューレの装着が口腔内の細菌数の増加や衛生状態に影響していた。口腔ケアは、1日1回看護職により実施されているが、口腔ケアの評価や口腔アセスメントがされず、その日の担当者の技量や判断で行われていた。個別マニュアルの提示、評価表に基づいた記録、看護職間で互いにケア方法を確認するなどの体制を作ることにより口腔衛生状態の改善や維持が促進される可能性が明らかになった。3)では、ケア前、ケア直後、1時間後、2時間後の口腔周囲の皮膚温の各平均は、有歯顎者では、36.8±1.4℃、36.5±1.4℃、36.5±1.1℃、36.8±0.8℃、無歯顎者では、36.1±1.3℃、34.5±1.9℃、35.1±0.9℃、35.8±0.6℃であり、両群ともケア直後に皮膚温は低下しその後上昇していた。ケアによる口腔周囲組織への刺激が皮膚血流量に影響し皮膚温に波及したと考えられ、口腔の開閉や舌への刺激となり血流量の変化は脳への刺激となることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
結果の分析、活用方法についての検討が遅れたため対象施設でのケアの実施は研究者らが実施して結果を求めていたため、施設におけるケア担当者との協働することができなかったため長期的な横断的なデータを得ることができていない。化学療法を受けている方も対象範囲としていたが、対象者を得ることが困難でありデータ収集にいたっていない。以上の背景からガイドラインの作成まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者に対する現状分析、口腔ケアの効果についての検証ができたため、高齢者に対する医療・介護関連性肺炎の予防のための口腔ケアのガイドラインの作成の着手が可能である。作成した案に基づき実際に臨床での検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
学会参加および出張予定が変更になったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年8月22~23日に広島市で開催される日本看護研究学会第42回学術集会にて発表するための参加費および旅費に使用する
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Research Products
(3 results)