2015 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内の生体防御能の促進に向けた看護口腔ケアモデルの開発
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23593201
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
道重 文子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00274267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (70189801)
恩幣 宏美 群馬大学, 保健学研究科, 講師 (20434673)
仲前 美由紀 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (40434675)
原 明子 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (70585489)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔ケア / 生体防御 / 唾液 / 口腔内細菌 / 口腔機能 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、易感染宿主である高齢者や脳血管障害者、経腸栄養者、化学療法や透析中の患者を対象に、看護の視点から、口腔内常在細菌叢を維持し、口腔に備わる局所の生体防御機能を損なわず、かつこれを賦活するような口腔ケアの方法を開発することである。 本年度は、口腔ケアのガイドラインを作成する事を目的とした。これまでの研究成果から、本研究の対象者である経腸栄養者が療養している施設で行われている口腔ケアは、1日1回看護職により実施されているが、口腔ケアの評価や口腔アセスメントがされず、その日の担当者の技量や判断で行われていた。アセスメントが実施されない要因として看護職の口腔ケアに対する教育背景や知識量の影響が推測された。ガイドライン作成には、実情を明らかにし、内容を検討する必要があるため研究者が企画し実施している口腔ケアに関するハンズオンセミナー参加者を対象に調査を行った。看護師15名の調査結果からは、60%が学生時代に口腔ケアの講義を受けていたが、年齢が高い者では口腔ケアの講義がなかったと回答していた。また、講義時間が90分以上はなかった。看護師の知識に関して、「義歯の取り扱い」「含嗽剤」「摂食・嚥下リハビリテーション」は「持っていない」「少し持っている」の回答者が66.6%であった。実践力では「口腔清掃状態のアセスメント」「口腔状態に適した歯ブラシの選択」が「できない」と回答した者が28.5%いた。歯科衛生29名のうち20名以上が看護職に修得を期待する項目は、「口腔ケアの必要性」「義歯の着脱」「歯の磨き方」「口腔乾燥症に対するケア」であった。これらの結果から、看護職の知識不足や実践に対する不安が伺えた。一方、歯科衛生士からは、看護師の能力差や関心の低さに関する意見があり、基礎教育の必要性を指摘していた。看護基礎教育における口腔ケア教育の必要性が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)