2012 Fiscal Year Research-status Report
チーム医療推進に向けた「臨床看護師のための専門性発揮状況自己評価尺度」の開発
Project/Area Number |
23593215
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
亀岡 智美 独立行政法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授 (50323415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 登志子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (60415560)
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Keywords | 看護師 / 専門性 / 尺度 / 自己評価 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、他職種と連携、協働し、チーム医療の一翼を担う看護師が、看護師としての専門性発揮状況を自律的に改善するために活用できる「臨床看護師のための専門性発揮状況自己評価尺度」の開発である。 平成24年度は、病院に就業し他職種と連携、協働する看護師が「看護師としての専門性を発揮している行動」の質的解明を目的とし、研究を進めた。 第1に、平成23年度の文献検討の結果に基づき、病院に就業する看護師を対象に「看護師としての専門性」を発揮している行動について自由記述を得るための質問紙を作成した。第2に、質問紙の内容的妥当性確保に向け、2度にわたるパイロットスタディを実施した。第3に、パイロットスタディを経て完成した質問紙を用い、病院に就業する看護師を対象とする郵送法による質問紙調査を行なった。200病院の看護管理責任者に往復葉書を用いて研究協力を依頼し、承諾を得た45病院に就業する看護師902名に質問紙を配付した。第4に、収集したデータの整理、入力を行ない、分析に着手した。 質問紙は、配付した看護師902名のうち483名(回収率53.5%)より返送があり、このうち327名が「看護師としての専門性を発揮している行動」を問う自由回答式質問に回答していた。そこで、現在、この327名分の記述をBerelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いて質的に分析している。 この質的分析の結果は、本研究の最終目的である「臨床看護師のための専門性発揮状況自己評価尺度」を開発する基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、病院に就業し他職種と連携、協働する看護師が「看護師としての専門性を発揮している行動」の質的解明を目的とし、研究を進めた。平成23年度は文献検討に当初の予定以上に時間を要し、当該年度内に計画していた質問紙作成、パイロットスタディの実施に至らなかった。しかし、平成24年度は、その遅れを取り戻し、予定通り、看護師を対象とする調査を行ない、データ収集を完了し、質的分析に着手できた。平成25年度は、質的分析を完了し、その成果に基づく「臨床看護師のための専門性発揮状況自己評価尺度」の作成、その内容的妥当性確保に向けた専門家会議とパイロットスタディの実施をめざす。質的分析が完了すれば、尺度開発に向け、質問項目の作成と尺度化、レイアウトへと進む見通しであり、研究は、概ね順調に進展していると自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終的な目的である「臨床看護師のための専門性発揮状況自己評価尺度」を開発するためには、まず、平成24年度に収集した記述データの質的分析を完了する必要があり、その精度を高める必要がある。そのため、研究代表者と分担研究者が協力して分析の精度を高めるとともに、分析方法「Berelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析」に精通した研究者に協力を得て、結果として得られたカテゴリの信頼性を検討する。 また、質的分析を完了した後は、尺度開発の方法論に則り、①質問項目の作成、尺度化、レイアウト、②パイロットスタディと専門家会議の実施を通した尺度の内容的妥当性検討、③調査を通した適切な質問項目の選定と選定した質問項目を用いて構成した尺度の信頼性・妥当性検討へと研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に収集したデータの質的分析、その結果に基づく尺度作成に要する文房具代(USBメモリー、ファイル、模造紙、付箋、プリンタ用トナー等)、研究代表者と分担研究者が研究の打ち合わせを行なうための旅費、データ分析結果の整理や尺度作成のための資料収集と整理等を行なう補助者に対するアルバイト代等に使用する。
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