2013 Fiscal Year Research-status Report
オピオイド鎮痛薬を使用している難治性非癌性疼痛患者の慢性疼痛との共存の過程
Project/Area Number |
23593237
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
進藤 ゆかり 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (70433141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 正憲 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00404723)
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Keywords | 慢性疼痛 / 非悪性疼痛 / オピオイド鎮痛治療 / ペインコントロール |
Research Abstract |
本研究の目的は,難治性の痛みを抱え、オピオイド鎮痛薬を使用している非悪性慢性疼痛患者のオピオイド治療前後の痛みの程度や身体的精神的社会的状態を含めた生活体験の経時的変化、およびオピオイド鎮痛薬の主・副作用の生活への影響を縦断的に明らかにすることである。 対象者は研究期間にオピオイド鎮痛薬治療を受けている20歳以上の非悪性慢性疼痛患者で認知症のない者とし、本人から研究参加の同意を得られる方約20人程度とする。 データ収集の時期は、オピオイド治療開始時、3か月後、6か月後、12か月後、18か月後に対象者の受診治療に合わせて面接および質問紙調査を計5回実施する。 半構成的面接法を用い、内容は対象者の同意を得た上で録音し、逐語録、フィールドノートを作成する。インタビュー質問内容は、「現在の自分の痛みの捉え方」「痛みの発症あるいは前回のインタビュー時から今日までの気持ち、日常生活、体調、環境などの変化」「変化の過程に影響したもの、変化の理由」について質問する。データ分析はグランテッドセオリーを用い、逐語録データを比較検討しながらコード化カテゴリー化する。データ収集毎に比較検討をデータの飽和まで繰り返し行い、中心的なカテゴリーやカテゴリー間の関連パターンを見出すことを最終目的とする。 面談時、聞き取り質問紙調査を行い、基本属性、疼痛発症年月、受診までの経過、部位別の痛みの程度はnumerical rating scale(NRS)を用い、健康生活に関するQOLはShort Form 36(SF36)、対処行動にCoping Strategy Questionnaire(CSQ)を用いる。調査時期ごとに血圧、呼吸数、瞳孔径の測定及び対象者が特定されないように疼痛部位周辺のみを画像に記録し、痛みの変化と共に外見上の変化の推移を明らかにする。 現在、5例のインタビュー初回を終了し、分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は研究代表者が健康診断で思わぬ疾病を発見され、夏より入院、治療のため体調不良のことが多く、研究に着手する時間がきわめて少なくなってしまった。その結果、計画書作成、倫理審査申請が予定よりも遅れ、調査を開始できたのが年明けにずれ込んでしまい、迅速な研究遂行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書に基づき、対象者20名をめざし、対象者のリクルートおよびインタビュー実施、データ分析を随時行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ収集開始時期が、代表者の健康上の理由により遅れたため、データ収集、分析にかかる費用がそのまま、次年度にもちこされた。現在、データ収集開始しており、今後の調査分析で助成金を使用する予定である。 データ収集は、2つの病院施設に受診している患者であるが、対象者への謝礼、およびデータ収集するための交通旅費などが発生する。データ分析を促進するために、音声データを逐語録化するための外部委託料金、および知見発表のための学会参加費、旅費に研究費を使用する予定である。
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