オピオイド鎮痛薬を使用している難治性非癌性疼痛患者の慢性疼痛との共存の過程

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 23593237
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 進藤 ゆかり 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (70433141)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山内 正憲 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00404723)
• Project Period (FY): 2011-04-28 – 2016-03-31
• Keywords: 慢性疼痛 / 非悪性疼痛 / オピオイド鎮痛治療 / ペインコントロール

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、難治性の痛みを抱え、オピオイド鎮痛薬を使用している非悪性慢性疼痛患者のオピオイド治療前後の痛みの程度や身体的精神的社会的状態を含めた生活体験の経時的変化、およびオピオイド鎮痛薬の主・副作用の生活への影響を縦断的に明らかにすることである。
対象者は研究機関医オピオイド鎮痛薬治療を受けている20歳以上の非悪性慢性疼痛患者で認知症のない者とし、本人から研究参加の同意を得られる方役30人程度とした。
データ収集時期は、紹介時、6か月後、12か月後に対象者の受診治療に合わせて面接および質問し調査を計3回実施する。
半構成的面接法を用い、内容は対象者の同意を得た上で録音し、逐語録、フィールドノートを作成する。インタビュー質問内容は、「現在の自分の痛みの捉え方」「痛みの発症あるいは前回のインタビュー時から今日までの気持ち、日常生活、体調、環境などの変化」「変化の過程に影響したもの、変化の理由」について質問する。データ分析はグランテッドセオリーを用い、逐語録データを比較検討しながらコード化カテゴリー化する。データ収集毎に比較検討をデータの飽和まで繰り返し行い、中心的なカテゴリーやカテゴリー間の関連パターンを見出すことを最終目的とする。
同時に質問紙調査も行い、基本属性、慢性疼痛疾患名、発症年月、疼痛部位、痛みの程度はnumerical rating scale（NRS）を用い、健康に関するQOLはShort Form36(以下SF36) 用いる。分析は統計パッケージSPSSを用い、疾患別、データ収集時期別、痛みの程度と健康に関するQOLとの関連を分析する。血圧、呼吸数、瞳孔径の測定によるデータ収集し、痛みの変化と共に身体状態の推移を明らかにする。
現在、30例のインタビュー初回をすべて終了し、2回目を5例実施、分析中である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該年度は、昨年発見された疾病の治療が1年半以上続き、毎週2回の外来受診による注射治療を受けながら、業務を継続していたため、研究に集中できる時間がきわめて少なく、薬の副作用による体調不良もあり、データ収集が年度末にずれこんでしまったため、すべてのデータ収集が年度内に終了できなかった。

Strategy for Future Research Activity

計画書に基づき、8月、1月にリクルートした30名の患者の縦断、面接調査を実施し、データ収集を完了させ、経過ごとに随時、分析結果を発表していく予定である。

Causes of Carryover

データ収集開始時期が、代表者の健康上の理由により遅れたため、データ収集、分析にかかる費用がそのまま、もちこされた。現在、データ収集開始しており、今後の調査分析で助成金を使用する予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

データ収集は、2施設で行っており、対象者への謝礼、およびデータ収集するための交通旅費などが発生する。データ分析を促進するために、音声データを逐語録化するための外部委託料金、および知見発表のための学会参加費、旅費に研究費を使用する予定である。