2013 Fiscal Year Research-status Report
集中治療下にある患者の苦痛を緩和し自らの回復を支援するケアモデルの開発
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23593264
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高島 尚美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00299843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 洋章 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10581150)
北 素子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80349779)
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Keywords | ICU stress / Comfort / Discomfort / せん妄 |
Research Abstract |
平成25年度は集中治療を受けている患者のコンフォートケアプログラム立案のための基礎的調査を実施した。ひとつはICUに入室し12時間以上人工呼吸器を装着した患者に対して、記憶を含めたICUストレス経験の実態と関連要因を検討した。研究方法は、1施設のGICUに入室し12時間以上人工呼吸器管理を受けた認知障害のない成人患者を対象とした。ICU退室決定後に、ICU Stressful Experiences 質問紙(原作者の許諾を得て日本語版を作成した。cronbach'sα:0.90)を構造的面接法で聴取し関連要因を診療記録から収集した。所属大学の倫理委員会の承認を得た。途中経過として、67名の患者(平均年齢70.1歳、男性49名・女性13名)の経験を分析した。その結果、患者の属性は心臓血管系術後が66.1%で、緊急入室が25.8%であり、気管挿管について11名(17.7%)が覚えていなかった。強いストレス経験項目は、“のどの渇き”“会話のしづらさ”“気管チューブの不快”等であった。関連要因は、緊急入室、挿管時間、既往の無さ、鎮静度の浅さ、等であった。特に気管挿管による苦痛を緩和する必要があることが判明した。もうひとつの課題としてICU入室患者のDiscomfortのひとつであるせん妄と首尾一貫感覚の関連を調査した。その結果、年代によってはせん妄との関連が見出され、患者を個別に予測する必要性が示唆された。今後はこれらの結果をケアプログラムとしてチームで検討し、介入実施をすることを目指しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ICU入室患者に対する調査に際する倫理的配慮が困難であり、データを集積することに時間がかかっている。患者のDiscomfortの部分的解明だけにとどまっており、看護師のケア内容の分析にまで至っていない。そのため当初計画よりは遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のデータの解析と論文化をすすめつつ、看護師が考えるComfortについて聞き取り調査を行い、双方向からComfortに関するケアプログラムを検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進捗状況が遅れたため 調査研究にかかる費用
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Research Products
(9 results)