2014 Fiscal Year Research-status Report
小児医療における子どもの意思決定と看護支援に関する基礎的研究
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23593279
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 洋子 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 教授 (90162502)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 意思決定 / 小児医療 / 小児がん / 情報提供 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児がん治療を受ける子どもの意思決定をめぐる法的環境について検討を進めた。 小児がん患者は、成人に比べて化学療法や放射線療法に対する効果が極めて高く、現在では70~80%が治るようになってきた。小児がんの患者は晩期障害の出現や成人患者としての自己管理に向けた移行支援が重要である。日本は1994年『子どもの権利条約』を批准し、子どもの意見表明権が尊重されつつある。しかし、医療を受ける際に子どもの意思を尊重するためのプレパレーションやインフォームドアセントなどの情報提供の機会は少なく、治療に関する決定や意見を表明する機会は十分ではない。そこで、日本における病院・職能団体の規定、関連学会の規定、ならびに関連する法規小児がん医療における患者の意思決定に関する法的環境について文献検討に基づき検討している。 子どもの権利条約を批准後、子どもの権利保護のためのEACH憲章や看護協会の規定などが小児医療の場で普及しつつある。がん対策基本法(2006年)に基づき政府が策定したがん対策推進基本計画により、2013年に小児がん拠点病院が15か所指定された。同病院よる施策により、子どもの自律性を尊重する対応が具現化されつつある。 小児がん患者の意思決定をめぐる法的環境の実態を明らかにすることは、小児医療おける子どもの権利の問題や傾向を明確化し、その向上のための基礎資料となると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
病気による入院治療ならびに療養のため、研究活動を制限せざるを得ず、文献検討が中心となった。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度当初に予定してたグループインタビュー、ならびに対象となる個別のインタービューによりデータ収集を行なう。 文化的要因の違いが、意思決定プロセスに影響があると考えられるので、諸外国の状況について、諸外国の状況について文献、現地調査を含めて情報を収集し検討する。
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Causes of Carryover |
病気による入院治療ならびに療養のため、研究活動を制限せざるを得なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に基づき、グループあるいは個人インタビューによるデーター収集を行う際の会場費、インタビュー対象者へのお礼など、加えてデータのリライトの費用として使用する。また、情報収集を進めるための旅費、通信費に充てる。
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