2013 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠末期の妊婦における自律神経機能の修復を目的とした看護介入法の開発
Project/Area Number |
23593281
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
兒玉 英也 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30195747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 ひとみ 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80319996)
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Keywords | 妊婦 / 心拍変動解析 / 自律神経機能 / 睡眠障害 / 習慣的いびき / 夜間の低酸症 / 睡眠時無呼吸症候群 / 心拍変動バイオフィードバック |
Research Abstract |
妊婦の安静時の心拍変動解析により定常状態の自律神経活動のバランスの評価を行い、得られた心拍変動解析値と妊婦のQOL(睡眠障害、メンタルヘルス、疲労感)との関係を一連の研究により探求した。 最初に、妊娠末期(妊娠28週以降)の100例の妊婦を対象として、妊婦のQOLの諸因子(睡眠の満足度、日中の眠気、不安 感、疲労感、イライラ感)を質問紙のvisual analogue scaleにより4段階で評価し、安静仰臥位における心拍変動解析値との相関関係を調査した。その結果、睡眠の満足度とLF/HF比との間に、比較的強い単純相関が認められ、妊婦の自律神経活動のバランスには睡眠障害の影響が大きいことが推測された。 次に、160人の妊婦を対象として、妊婦の睡眠障害に特化して自律神経活動との関係についての横断的調査を行った。その結果、習慣的ないびき(1週間に3夜以上)のある妊婦は、LFパワー(p=0.016)、LF/HF比(p<0.0001)に有意な上昇が認められ、これらは交絡変数に依存ない独立した関係と考えられた。以上から、習慣的にいびきをかく妊婦では、安静時の心臓の自律神経調節機能は交感神経優位の状態にシフトしていると考えられた。 これまでの研究から、妊婦の潜在的な睡眠時無呼吸が自律神経調節機能に影響している可能性が示唆された。そこで、妊娠24-28週の60例の健康な妊婦を対象として、妊婦の夜間の低酸素症と自律神経機能との関係について、横断的調査を行った(最終年度)。その結果、妊娠第二期での潜在的な低酸素症は仮に認められてもその程度は軽く、自律神経機能を含めた生体機能には有意な影響を及ぼさないものと考えられた。 妊婦に心拍変動バイオフィードバック等による自律神経機能の調節を目的とした看護介入を考慮する場合、その妊婦の自律神経機能の変化の背景因子を正確に評価したうえで行う必要がある。
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Research Products
(1 results)