2012 Fiscal Year Research-status Report
知的障がい児の性の発達を促進する性教育指針の開発と実用化
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23593305
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
遠藤 恵子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00310178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 京子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70299791)
菊地 圭子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (00444927)
豊田 茉莉 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助教 (00582933)
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Keywords | 知的障害児 / 性教育 / 特別支援学校 |
Research Abstract |
研究倫理委員会で研究計画の承認を受け、日常生活にみられる知的障害児の性の発達を示す行動の特徴を明らかにするため、対象となる特別支援学校の教員に対し調査協力を依頼した。また、知的障害がない児童生徒をコントロール群とするため、小学校中学校の知的障害のない児童生徒の保護者を対象として、児童生徒が日常生活の中で性の発達を示す行動に関する面接調査を開始した。 第32回日本看護科学学会学術集会において、特別支援学校高等部における知的障害児の性に関する教育実践の特徴を発表した。参加者との討議から、知的障害児者への性教育は必要なものと考えられているにもかかわらず、実際には具体的内容や手段は手探りの状態であることや、将来の自立を見据えた性的な健康に着目した性教育が必要であること、教育の評価をしながら教育内容を検討する必要性を改めて認識した。 第53回日本母性衛生学会学術集会や、性と健康を考える女性専門家の会の「知的障がいを持った子どもの性をサポートする」シンポジウムに参加した。看護だけでなく、医療や福祉の立場から考える知的障害児者への性教育の課題について情報を共有した。学校卒業後の恋愛結婚等、社会での自立を視野に入れ、学校における性教育の内容の検討が必要であることを確認した。 性教育を実施している特別支援学校の中で、性教育の目標や内容を明確にし実践評価まで実施しようとしている先駆的学校と連絡をとり、本研究の今後の方向性について示唆を得て、今後の具体的計画を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年3月の震災により、23年度調査準備が遅れ、調査前の研究倫理審査の承認が、24年度にずれこんだ。今年度から調査を開始したが、条件に合う対象者を探すのに予定より時間がかかっている。また、多くの特別支援学校で性教育を実施しているにもかかわらず、具体的内容の明確化や評価の実施まで行っているところはほとんどなく、教育指針考案に向けた十分な情報交換、検討まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、特別支援学校の教員を対象に、知的障害をもつ児童生徒の性の発達を示す行動の調査を実施する。またコントロール群として、知的障害をもたない児童生徒の性の発達を示す行動に関する調査を、保護者を対象に実施する。両者の結果を比較し、知的障害児の性の発達を示す行動の特徴を明らかにする。 結果をもとに、教育内容、教育時期、教育方法、教育評価方法等を含む、知的に障害をもつ子どもの性教育の教育指針案を考案する。作成した教育指針案について、特別支援学校で性教育を実践している教員や、障害児教育に精通した専門家とともに、妥当性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
特別支援学校の教員を対象とした調査、知的障害をもたない児童生徒の保護者を対象とした調査にかかる調査旅費、逐語録作成費用。 教育指針案考案情報収集のための調査旅費、妥当性検討のため専門家の旅費、専門家や特別支援学校担当者への謝金。
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Research Products
(1 results)