2012 Fiscal Year Research-status Report
検査・処置を受ける幼児後期の子どもの調整能力発揮への支援プログラム開発と効果測定
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23593362
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Research Institution | Fukui College of Health Sciences |
Principal Investigator |
吉田 美幸 福井医療短期大学, その他部局等, 准教授 (50465845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楢木野 裕美 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (90285320)
鈴木 敦子 四日市看護医療大学, 看護学部, 教授 (50196789)
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Keywords | 検査・処置 / 幼児後期 / 自己調整能力 / 支援プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、検査・処置を受ける幼児後期の子どもの調整能力発揮への支援プログラムを開発し、その効果を測定することにある。平成24年度は、「点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの調整能力発揮への支援プログラム」の試案を作成し検討することを目的とし、平成23年度に行った『「幼児の自己調整機能」の概念分析』および『看護師が捉える「幼児後期の子どもの自己調整機能の発揮」への関わり』の結果を基に、「点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整機能の発揮」に向けた看護介入プログラムを作成した。 プログラム内容の作成では、処置時期を、処置前、処置前リハーサル、処置開始直前、処置中穿刺迄、穿刺から抜針または固定まで、処置後の6段階に分け、『看護師が捉える「点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整機能の発揮」への関わり』で抽出された10サブカテゴリーを処置の経過に沿った項目として設定した。また、処置前から処置後まで常時必要とする4サブカテゴリーを基盤となる関わりの項目として設定した。その上で、概念分析および看護師が語った関わりから具体的な支援内容を抽出しプログラムの手引書を作成した。さらに、合計20項目のプログラム骨子を作成した。 プログラム説明のためのツールについては、看護師へのプログラム説明用資料、子どもへの説明用絵本、看護師携帯用資料を作成した。 評価指標は、処置前から処置終了までの子どもの行動275コードから、最終44項目を『点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整機能』の評価項目とし質問紙を作成した。また、介入プログラム骨子の20項目を『「点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整機能の発揮」に向けた看護師の関わり』の評価項目とし質問紙を作成した。 作成した看護介入プログラムと評価指標に対しては、研究者間で内容および表現について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検査・処置を受ける幼児後期の子どもが調整能力を発揮できる支援プログラムを開発し、その効果を測定するために、平成24年度は、これまでの調査結果を基に、第3段階として「調整能力発揮への支援プログラム」の試案を作成し検討することを計画した。 平成24年度の実施状況は、文献検討およびインタビューから明らかになった看護師の関わりから、点滴・採血を受ける幼児後期の子どもが調整能力を発揮できるための看護支援プログラム試案について作成している。しかし、当初計画していた予定よりかなり時間を要している。また、予定していた「調整能力発揮への支援プログラム」試案に対する研究協力病院の看護師と研究者による検討会については、計画を変更した。 その理由は、計画当初、対照群と介入群の2群に分け、介入プログラムの効果を明らかにする予定であったが、無作為抽出は不可能である事や対照群の子どもへの倫理的配慮を考慮し、研究方法を検討し研究計画を修正したためである。また、文献検討、およびH23年度に実施した看護師へのインタビュー結果から、看護師は幼児後期の子どもの自己調整能力について捉えてはいるが感覚的な認識であることが明らかになった。そこで、点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整能力に対する看護師の意図的な実践を図ることが必要だと考えた。そこで、「幼児後期の子どもの自己調整機能の発揮」に向けた関わりを看護師が実践できるようにプログラム内容、プロトコールを検討した。研究計画書の変更、内容の検討に時間を要した。プログラム試案精選のための研究協力施設の看護師と研究者による検討会については実施していない。 評価指標については、プログラムの効果を測定するための質問紙を作成した。また、子どもの本来持つ自己調整機能を把握するための指標として、既存の測定用具の使用について検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた研究参加者の子どもの無作為抽出は不可能であることや、対照群の子どもへの倫理的配慮が必要であることから研究方法を検討した。 平成25年度は、第4段階として、「調整能力発揮への支援プログラム」試案の実施と評価を行う。具体的には以下の計画を実施予定である。1.研究参加への同意が得られた看護師により、「調整能力発揮への支援プログラム」を実施する。その際、点滴・採血を受ける子どもおよびその保護者の同意を得た上で行う。点滴・採血を受ける幼児後期の子どもに関わる看護師20名程度を研究参加者とし、各看護師に3回以上のプログラム実施を依頼する。「調整能力発揮への支援プログラム」実施による看護師と子どもの変化をとらえて、実践の分析を試み、効果判定をする。最後に、本研究の全体について、得られた結果を取りまとめ、成果の発表および報告書を作成し、点滴・採血を受ける幼児後期の子どもの自己調整能力を発揮できる看護支援プログラムを提案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、検査・処置を受ける幼児後期の子どもの看護支援プログラム実施において、看護師への説明会開催、配布資料・学習教材等のための経費および、研究分担者間でのプログラムの効果判定のための検討会開催、報告書作成の経費を計上している。
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