2012 Fiscal Year Research-status Report
神経性無食欲症の入院治療における動機づけワークシートの開発と評価
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23593440
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
友竹 正人 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50294682)
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Keywords | 摂食障害 |
Research Abstract |
平成24年度は、さらに国内外の文献を調査し、神経性無食欲症患者の治療動機を高めることができるような課題について検討を行った。また並行して過去の入院治療の内容や若年女性の食行動の問題と関連する要因についても検討を行った。それらの結果を総合して、最終的に8つの動機づけ課題を設定し、それぞれの課題についてワークシートの内容を具体的に決定した。動機づけ課題は、(1)心理面と身体面の症状についてチェック・シートを用いてチェックを行うことを通して、低体重によって引き起こされる症状への理解を深める課題、(2)食行動の問題が維持されているメカニズムについて検討することを通して、悪循環の流れについての理解を深める課題、(3)バランス・シートの作成を通して、現在の食行動を続けることの良い点と悪い点について考える課題、(4)神経性無食欲症が始まってから後の生活上の様々な領域における変化について振り返る課題、(5)現在の食行動をこのまま続けた場合に3年後にどのような自分になっているかを想像する課題、(6)極端な痩せ願望を持ち続けることの良い点と悪い点について考える課題、(7)患者の大切な人が神経性無食欲症に罹患しているところを想像してもらい、その人に対してどのような支援を行うべきかを考える課題、(8)積極的に治療に参加しない場合の治療上の限界について率直に話し合う課題、である。平成24年度中にワークシートの原案の作成がほぼ完了しており、あとは患者が使用しやすいようにレイアウトを修正する段階になっている。平成25年度は、これまでの研究成果を学会で発表し、専門家との意見交換を通して、さらに内容を改善する余地があるかどうかを検討するとともに、ワークシートを用いた治療介入の有効性を検討したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経性無食欲症の治療に対する動機づけについて書かれた内外の文献や資料を検討し、さらに神経性無食欲症患者の過去の入院治療の内容や回復具合、上手く行った治療における要因を検討することなどに時間がかかり、それらを総合した最終的な動機づけ課題の選定に時間を要した。そのために当初の予定よりやや遅れているが、平成24年度中には動機づけワークシートの内容がほぼ出来上がっているため、今後は内容の改良と臨床応用について研究する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
神経性無食欲症の治療に対する動機づけについて書かれた内外の文献や資料を検討し、さらに神経性無食欲症患者の過去の入院治療の内容や回復具合、上手く行った治療における要因を検討することで、最終的な動機づけ課題の選定を行い、平成24年度中には動機づけワークシートの内容がほぼ出来上がっている。今後はワークシートの内容の改良と臨床応用について研究する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度への繰越額は謝金に使用予定である。
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Research Products
(5 results)