2013 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の小離島における介護と看取りに関連する要因の研究
Project/Area Number |
23593446
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
古謝 安子 琉球大学, 医学部, 教授 (30305198)
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Keywords | 小離島 / 高齢者介護 / 看取り / 沖縄 |
Research Abstract |
本研究は、超高齢地域の先頭をゆく小離島が医療・介護基盤の脆弱さや地理的自然的条件の厳しさの中で介護と看取りに対応している現状を把握し、その関連の解明とともに介護と看取りを可能にする島内居住体制整備に向けた示唆を得ることを目的としている。 最終年度は調査結果の解析を進め、看取り終えた住民の介護経験を質的に分析し、離島ゆえの介護の困難さとともにたとえ療養者が本島に移動しても介護者の生活や臨終立会いなどに多くの困難があることを示し、学会のベストポスター賞を受賞した。また学術雑誌に小離島高齢者の介護と伝統的葬送文化の関連や世代間意識の違い及び介護と看取りのプロセスについて研究結果から論述し、掲載された。さらにこれまでの研究成果を座間味村や近隣離島に還元するため役場や保健福祉関係者と研修会を企画したが、天候不良により実施できず次年度開催の予定である。 研究期間全体を通じて座間味村との共同体制が構築され、最近10年間の死亡状況と葬法の実際や20歳以上住民への看取りと葬法に関する質問紙調査、また看取り終えた家族への介護状況に関する半構造化面接等がスムーズに実施できた。また座間味村役場関係者と国内先進地視察を実施し、3島から成る座間味村の多様な状況に対応できる小規模多機能施設の整備と生涯現役意識の養成が課題となることを共有した。全体成果として、火葬場のない座間味村で島内死亡者の葬儀が埋葬から火葬に転化したことが確認でき、小離島の高齢者介護が葬送文化や伝統行事を維持継続させ得る住民組織の関わり、自然環境及び経済環境、さらに島の成り立ち等も関係していると考えられた。今後、座間味村においては島内看取りが増加すると予測され、それへの対応と介護基盤整備が課題となるが、最終年度において総合ケアセンターが稼働し、中重度要介護者が宿泊できる体制も整いつつあり、研究と施策が連動する形で協働できていた。
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Research Products
(4 results)