2011 Fiscal Year Research-status Report
胎児環境が、胎児の行動発達および小児の精神・行動発達に及ぼす影響に関する研究
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23601009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸隈 誠一 九州大学, 環境発達医学研究センター, 特任准教授 (50380639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 恒太郎 九州大学, 大学病院, 講師 (40304779)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 胎児環境 |
Research Abstract |
近年、小児の精神・行動障害が増加し、厚生労働省患者調査によると2000年以降2倍となっており、社会問題化している。このような増加傾向は遺伝要因だけでなく、環境要因が関与している可能性を示唆している。妊娠中の母親の精神的ストレス、外的環境、母体から胎児への化学物質の移行といった胎児をとりまく環境が、胎児の脳機能の発達に影響を与え、さらには生後の発達障害や心の脆弱性に影響する可能性が示唆されている。 本研究の目的は、種々の胎内環境が胎児の脳機能の発達に及ぼす影響、小児の精神・行動障害に与える影響、およびこれらの各種要因に対して脆弱性を示す感受性期の存在を胎児期の評価を加えたコホート研究により明らかにすることである。 コホート研究の対象者は1500人/年を予定しており、平成23年度の実績では1445人とほぼ予定通りの調査参加者を確保した。研究内容として、胎児の脳機能発達評価に関しては、評価方法として、スクリーニングから超音波機能検査の方法を確立した(Ultrasound evaluation of fetal brain dysfunction based on behavioral patterns. Morokuma S, Fukushima K, et al. Brain Dev. 2012 Feb 7. [Epub ahead of print])。このような方法の確立は極めて独創的で今後の検討を行う上で極めて意義深い。現在、コホート研究においては、スクリーニング陽性例について機能評価を行っている。母体の精神的ストレス、化学物質曝露に関係する食事内容、社会要因、生活習慣要因に関しては、質問票調査を実施しており、また、母体血、臍帯血、毛髪採取を行っている。騒音、大気汚染状況に関しては、地域研究所の詳細な調査データの活用準備を行っておりおおむね順調な進展状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コホート研究の対象者は1500人/年を予定しており、平成23年度の実績では1445人とほぼ予定通りの調査参加者であった。胎児の脳機能発達評価に関しては、評価方法として、スクリーニングおよび超音波機能検査の方法を確立し(Ultrasound evaluation of fetal brain dysfunction based on behavioral patterns. Morokuma S, Fukushima K, et al. Brain Dev. 2012 Feb 7.[Epub ahead of print])、調査に活用している。その他の調査内容も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度以降も、引き続きコホート研究を実施し、平成25年度まで、参加者を募り、予定の母集団を確保する予定である。並行して、質問票調査、環境調査の内容、胎児および出生児の疾病罹患状況についてデータベース化を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に購入予定としていた本研究専用の解析用パーソナルコンピュータおよびデータ解析のためのコンピュータソフトを購入しなかったために、次年度以降に使用する予定の研究費が生じた。平成24年度以降に執行予定である。平成24年度以降、生体試料、データ採取、保存に要する消耗品費は、予定通り執行予定である。
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Research Products
(3 results)