2013 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡プラズマを利用したバイオマス由来軽質石油代替材料の選択的合成に関する研究
Project/Area Number |
23603001
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
伊東 弘行 神奈川大学, 工学部, 准教授 (30372270)
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Keywords | バイオマス / 熱分解 / 非平衡プラズマ |
Research Abstract |
本研究は、バイオマス試料の熱分解に非平衡プラズマを用いることで利用価値の高い利用価値の高い軽質タールを選択的に高収率で得る手法の実現を目指し、バイオマス試料の熱分解過程に非平衡プラズマを供給した際の炉内温度とプラズマ性状の合成液体炭化水素性状への影響を調べ、非平衡プラズマの作用メカニズムを明らかにすることを目的としている。 昨年度までの結果では、低温でアルゴン非平衡プラズマを供給することでバイオマスの主要成分のひとつであるセルロースの熱分解が促進される可能性が示唆された。本年度は、このアルゴン非平衡プラズマの固体セルロース熱分解の低温での促進効果を調べるため、300~375℃のアルゴン中における熱分解とアルゴン非平衡プラズマ供給熱分解における各成分回収量の比較を行った。その結果、セルロース熱分解において低温(~375℃)でプラズマ供給することにより、固体チャー回収量の減少、回収タールおよびガス回収量の増加が見られた。一方、非平衡プラズマ供給によって、ガスおよび液体タールの構成成分に大きな変化は見られなかった。 セルロースの熱分解にアルゴン非平衡プラズマを供給することで、回収液体タールの構成成分に変化が見られた。この変化が気相のタールにアルゴン非平衡プラズマが作用したものかを確認するため、熱分解生成ガスに非平衡プラズマを供給する実験を行った。その結果、アルゴン非平衡プラズマの供給により回収タール収量の増加とともに、セルロースの一次熱分解成分であるレボグルコサン収量減少およびフルフラール収量増加が見られ、アルゴン非平衡プラズマ供給により気相で2次分解が促進されることが示唆された。
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