2011 Fiscal Year Research-status Report
急斜面における作業機械の移動機構に用いる水圧駆動式脚機構の開発とその制御
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23603006
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
鈴木 健児 神奈川大学, 工学部, 助手 (70322534)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 水圧駆動 / 水圧比例弁 / 水圧シリンダ / サーボシステム |
Research Abstract |
平成23年度は,まず開発中の水圧比例弁内部での制御ができるようにした.次に,それを使用した水圧シリンダ制御システムを構築し,今後の研究の基盤となる部分を製作した. 水圧比例弁は研究代表者が独自に開発しているもので,水圧用のスプール弁をモータとカム機構によって駆動する.このスプール変位をカムの回転角にフィードバックさせる内部制御系を,PICマイコン上に作成した.これとモータドライバを一体化したサーボアンプを製作し,水圧比例弁と一組にして使用した.次に水圧比例弁を水圧シリンダに接続し,変位センサで測定したピストンの変位をフィードバック信号とした1自由度のサーボシステムを構築した. 構築した1自由度のサーボシステムの制御には,PCベースのDSP開発プラットフォームを使用した.これは,MATLAB/Simulinkで作成した制御則から生成された実行可能モジュールを,DSPにダウンロードして実行するものであり,制御プログラムの開発効率を高めるものである.また,アナログ及びデジタルの入出力ボードを増設することができるため,以後の開発で目指す多自由度の制御に拡張することも容易である. 制御則を確立する前に,水圧比例弁および水圧シリンダの数学モデルを確立するため,オープンループでのシリンダ駆動を行った.すなわち,水圧比例弁への入力信号をステップ状に変化させ,水圧シリンダの速度を測定した.これにより,入力電圧の振幅に対するシリンダ速度の比を求めることができた.これらの関係は非線形であるが,動作点近傍にて線形化することによって,数学モデルを簡略化することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発中の水圧比例弁内部において,マイコンを使用してフィードバック制御することはできた.また,この水圧比例弁を水圧シリンダに接続し,水圧サーボシステムを構築することはできた.したがって,今後の研究の基盤となる部分は構築することができた. 構築した水圧サーボシステムをオープンループで駆動することはできたが,研究計画に記載したような,水圧シリンダ変位のフィードバック制御は達成することができなかった.ただし,これは早々に解決する見込みであるため,研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,構築した水圧サーボシステムについて,水圧シリンダ変位のフィードバック制御が行えるようにする.次に,水圧シリンダを使用した揺動リンク機構を製作し,揺動角のフィードバック制御を行う.最後に,揺動リンク機構に揺動アクチュエータを追加し,二自由度の制御系を構築する.これにより,最終的な開発目標である,三自由度の脚機構を開発するための基盤技術を確立する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たに一自由度の水圧サーボシステムを追加するため,制御弁及びアクチュエータの組み合わせを一組製作する.水圧比例弁は,現在使用しているものと同じ仕様のものを追加で1台製作する.また,水圧アクチュエータとしては,シリンダではなく揺動アクチュエータを新たに設計製作する.試作機は既に製作してあるが,試作機で明らかになった問題点を解消した改良機を製作する. 制御に用いるコントローラ及び高水圧発生ユニットは,現有装置を使用する.
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