2013 Fiscal Year Annual Research Report
デザイン要素の「ちがい」を魅力に変える「目利き力」の感性科学的基盤解明
Project/Area Number |
23611004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山中 敏正 筑波大学, 芸術系, 教授 (00261793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 浩也 筑波大学, 芸術系, 教授 (80258839)
内山 俊朗 筑波大学, 芸術系, 准教授 (50334058)
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Keywords | 製品評価 / デザイン / 感性評価 / 感性品質 / 光トポグラフィ |
Research Abstract |
製品を構成する要素の複雑さがユーザーに与える印象評価の研究ではデザイン教育の有無によるデザイン評価の傾向と脳活動に違いや関連がみられるかどうかを検証した.具体的には,「シンプルさ」や「好み」というデザインの評価と,デザイン教育経験の有無の関連をデザイン評価とその時の脳血流を測定した.デザイン教育経験の有無と「シンプル」「知っている」「好き」といったデザイン評価の関連については,デザインに関する知識とシンプルの評価の関連性がデザイン教育経験によって異なる可能性を見出した. また,印象評価ならびに脳血流の測定実験の結果,椅子の構造安定性の評価項目において,デザイン教育経験の有無によって評価が有意に異なることがわかった.脳の活動部位にもデザイン教育経験の有無によって差が見られ,デザイン教育経験の有無によってデザイン評価は違いが生じ,また脳活動にも関連がみられることが示唆された. 「目利き」につながる経験特性と製品に対する印象の関連性の研究では、目利きにつながる経験特性を有した人物としてデザイナーを被験者としての製品に対する印象や評価を検証した。SD法による評価結果からは,デザイナーはモノを見る際,厳しい見方で評価を行い,情緒的価値においても否定的に評価する傾向があり,単に嗜好だけでなく経験則からモノの価値を判断,評価していると考えられた.脳血流測定の結果からは,デザイナーと学生間で特に前頭前野正中付近の上前頭回で違いが生じ,経験特性の違いと正中付近での脳活動の関連が示唆された.以上から「目利き」につながる経験特性を持った作り手側と受け手側の間で,主観的な評価および客観的な評価において違いが見られ,脳機能計測を用いた評価方法の有用性も示唆された.
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Research Products
(10 results)