2011 Fiscal Year Research-status Report
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23611006
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
前川 仁 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30135660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
子安 大士 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60431730)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 拡張現実 / コンピュータビジョン / 自己位置推定 / 画像特徴 |
Research Abstract |
1.関連研究の調査:IEEE Computer Society Digital Libraly を中心に拡張現実(AR)に関連する研究分野の調査を行なった。これにより、当該分野の現状と概略を把握することができた。なお、この調査は今年度も継続する。2.シーンの特徴記述子に関する調査:本研究では、仮想物体の描画のために現実のシーンの画像特徴を利用する。処理の高速性と柔軟性に着目し、それぞれSURF及びFernsと呼ばれる特徴記述子の、見え方や隠蔽等に対する頑健性を検討した(学部の卒業研究「ARに適した特徴記述子の検討と応用」として実施、現段階では未発表)。3.拡張現実感の描画に関する研究:まず実際の机上シーンを撮像し、その影の状況から光源位置を推定する。次に、そのシーンに仮想物体(ティーポット)を描画する際、その知識によって影付けを行う手法を検討し、実装した(学部の卒業研究「ARにおける光源の推定と影付け」として実施、現段階では未発表)。4.モバイルデバイスの自己位置推定に関する研究:当研究室で従来から進めている「ロボットの自己位置推定に関する研究」はこれに直結してり、今年度は、全方位ステレオ視により各観測位置で獲得した密な距離データの重ね合わせ手法について検討し、学会発表を行なった(ROBOMEC 2011)。5.ソフトウェア開発環境の整備:モバイルデバイスとして先駆的に広く普及しているApple社のiPhone/iPadに代表される機器を想定しているため、開発環境としてiMacを導入した。また、同社の「ユニバーシティ・プログラム」に参加申請し、iMac上での開発と実機での動作が可能な作業環境を整備した。なお、今後、特定デバイスに依存しない方向も検討を要すると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前記「研究実績の概要」の5.に示したように、初年度ということもあってソフトウェア開発環境の整備に注力したが、開発基盤として想定しているiMacの基本ソフトのバージョンアップへの対応、及び、動作を想定しているApple社のiOSモバイルデバイス実機上のアプリケーション動作のためのライセンス整備にかなり手間取った(4箇月程要した)。同社の「ユニバーシティ・プログラム」が本研究の実装のために適しているが、代表者の「Appleアカウント」を(個人でなく)研究室名義にしようとして応募を開始したため、個人ユーザを想定しての同アカウントの認証に数度のメールによる交渉を要したためである。(なお、「appleアカウント」は一般ユーザを想定していて、簡単に日本語でのアカウント作成が行える。一方、それをiOSアプリケーション開発の各プログラムに利用しようとすると、既に入力した日本語情報が障害になって認証のトラブルが生じる。)
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Strategy for Future Research Activity |
1.関連研究の調査:従来通り、IEEE Computer Society Digital Libraly 及び国内関連学(情報処理学会、電子情報通信学会、日本ロボット学会等の各研究会)を中心に、本研究の発表を通じて調査する。2.シーンの特徴記述子に関する調査:現在進めている各種画像特徴の評価について、評価用データが限られているところを充実させる。3.拡張現実感の描画に関する研究:現在、描画位置は「机上」のように比較的単純な平面分に限定しているので、これを面分の組み合わせが可能なように拡張する。4.モバイルデバイスの自己位置推定に関する研究:従来通り、当研究室で進めているボットの自己位置推定に関する研究との連携を図る。また、加速度センサの計測データも単独で計測できるようになったので、これと視覚情報の統合を進める。5.ソフトウェア開発環境の整備:従来のiOS/iMacの開発環境に加えて、オープンな開発が可能なアンドロイド端末での開発も検討したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画について、当初要求からの大きな変更は無い。本研究成果を実装するモバイルデバイスとして、前述の「アンドロイド端末」の追加は、たとえばタブレットのようなものを想定しているが、価格的には一台数万円程度である。設備備品費用:開発支援PC(Linux環境に転用可能な普及器を想定)、RGB-Dカメラ(MicroSoft KINECTに代表されるような距離測定可能なカメラ)等。物品費:モバイルデバイス(iOS及びアンドロイド端末)、無線LAN環境、データ・ストレージ等。調査旅費、研究発表打ち合わせ旅費:国内外の関連学会、会議出席、調査旅費。その他:iOS開発ライセンス費用、各種謝金。
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Research Products
(3 results)