2011 Fiscal Year Research-status Report
エコデザインへの心理学的アプローチ:愛着の発達に関する基礎研究
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23611009
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小山 慎一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40420913)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 愛着 / 印象形成 / デザイン心理学 / エコデザイン / 発達 / 熟練者と初心者 |
Research Abstract |
今年度は研究1~4のうちの1~3を実施し,その成果を学会発表および論文を通じて報告した.研究1「照明が第一印象形成に与える影響」では,左側から照明を当てた顔や図形は右側から照明を当てた顔や図形よりも好まれる傾向があることを確認し,さらに,眼球運動計測実験によって,この傾向と我々が生まれつき視野の左側に最初に注意を向けやすいという傾向(Reuter-Lorenz et al. 1990)との関連性を示した(Horibata et al. 2011 IMRF2011 Fukuoka).研究2「選択肢の多様化が消費者の満足度と愛着に与える影響」では, 一般的に選択肢数が多いほど消費者の満足度は向上すると考えられているものの,携帯電話等の商品では選択肢の多様化が必ずしも消費者の満足度を向上させないことを実際のオンラインショッピング場面を模した実験を行うことによって確認した(Kobayashi et al. 2011 IASDR2011 Delft Netherland).研究3「特定ジャンルのモノに対するこだわりが好き嫌いの評価基準に与える影響」では「工場萌え」と呼ばれる工場景観にこだわりを持つ人とそうでない人を比較し,工場萌えはそうでない人よりも景観の好き嫌いの判断の際に複雑な評価を楽しんでおり,かつ瞳孔を大きく拡大させ,積極的に情報収集を行っていることが示された.実験では被験者が積極的に情報を収集し,複雑な評価を楽しむことによって対象物に対する愛着を発達させ,愛着が発達することによってさらに積極的に情報を収集するようになる循環的なプロセスが確認されたことから,このプロセスを愛着発達のモデルとして提案した(金ほか デザイン学研究 受理済).また,外国人が日本のマンガに対する愛着を発達させるプロセスについても心理学的に検討した(Ahmad et al. in press).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ研究計画書の計画通りに研究課題を遂行し、学会発表と論文発表を通じて研究成果を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画に沿って研究課題を遂行する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度研究費は実験機材や消耗品の購入に充てるとともに、学会で研究成果を発表するための旅費として使用する。
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Research Products
(13 results)