2011 Fiscal Year Research-status Report
企業ブランドの国際競争力向上を目指したブランドデザイン開発手法に関する研究
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23611034
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三上 訓顯 名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (30291959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 真也 四国大学, 経営情報学部, 助教 (60600517)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 企業ブランド / デザイン開発手法 / 国際競争力 |
Research Abstract |
本研究は、私たちの生活と密接に関わってきた商品を開発し、販売し続けてきた企業そのもののブランド力すなわち企業ブランドに着目し、そのデザイン開発の新しい傾向について明らかにすることを目的としている。情報系、製造系、不動産系等、日本の産業分野におけるデザイン開発への展開が期待できる企業ブランドについて、国際競争力と独自性あるブランドの次世代デザイン開発手法の提案に資する基盤的開発方法の確立を目指している。 この研究目的を達成するため、平成23年度には、ブランド評価項目を抽出するため、小規模のインターネット調査を日本において実施した。この調査では、ブランドとして評価する企業ブランドを自由連想で挙げてもらい、それぞれのブランドについて、その企業ブランドをブランドとして評価する理由、その企業ブランドを所有・使用・経験することから受ける感情等について自由回答を得た。また、購入頻度、訪問頻度の他、属性に関する質問も併せて行った。次に、調査によって得られた自由回答テキスト・データを分析し、キーワードを抽出するとともに、そのキーワードからブランドに関する質問項目を作成した。また、日本デザイン学会に、「ニューエイジ・ブランド」の抽出とその特徴に関する考察 : ゆとり世代での企業ブランドに関する新傾向について、と題する査読論文を投稿した。 平成24年度以降も引き続き本研究を進展させることにより、日本企業の情報や製品及び空間や都市に関わる不動産において、国際競争力と独自性あるブランドの新たなデザイン開発手法の提案を目指したい。特に企業ブランドに主眼をおきながら、消費者の意識に発生する差異化要因を、多角的且つ国際的視点から明らかにするとともに、企業ブランドに影響を与える様々なデザイン要素を視野に入れながら、統括的且つ一貫性あるデザイン手法を開発してゆくことの基盤を構築したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度としては、上記【研究実績】の欄に記入した通りであるが、研究の準備段階である予備調査とその調査結果の整理に十分な時間を割いてきており、研究はおおむね順調に進展している。今後の継続的な研究により、私たちの生活と密接に関わってきた商品を開発し、販売し続けてきた企業そのもののブランド力すなわち企業ブランドのデザイン開発の新しい傾向について明らかにしようとする本研究目的を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に日本国内の企業を対象に実施したインターネットによる同様の予備調査を、対象を米国、中国、欧州等の海外企業に広げて実施する予定である。これら一連の調査により作成したブランド評価項目を精査するため、ブランドとして評価する企業ブランドを自由連想で挙げてもらい、その企業ブランドについて、前過程で作成した質問項目を用いて、1~5点のリッカート・スケールでの評価回答を得る。収集した評価データを探索的因子分析にかけ、本調査のための質問項目に整理する。 前過程において整理した企業ブランドに関する質問項目を用いて、米国、中国、欧州、日本の国際的なインターネット調査を実施し、1~5点のリッカート・スケールでの評価回答を回収する。また併せて購入魅力や訪問魅力に関する回答も得る。本調査の調査対象とする企業ブランドは、これまでの調査結果に基づき選択する。得られた回答については単純集計を表・グラフの形にまとめるとともに、因子分析により各因子を抽出し、さらにその因子間の結びつきを共分散構造分析により把握することにより、企業ブランドの資産、価値、訪問魅力、購買魅力のつながりの発見を目指す。また、これらのつながりを把握するだけでなく、実際にどのような要因がブランドの構築に活用できるかを知るため、自由回答データをテキストマイイニング分析にかけることも検討する。 一連の研究成果を踏まえ、企業ブランドに対する現状の国際的な消費者評価、企業ブランドとデザイン要素との関係を明らかにすることにより、企業ブランドの構築に資することのできるデザイン開発手法の提案結びつけたいと計画している。 なお、本研究の成果については、広く社会に還元するため、出版物としてまとめ、広報する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・研究分担者(西口真也)の勤務校である四国大学から、研究代表者(三上訓顯)の勤務校である名古屋市立大学への研究打ち合わせのための旅費交通費、その他研究協力者の勤務校への旅費交通費。・外部インターネット調査会社(マクロミル)への国内・海外調査委託費。・書籍、外部調査機関の調査資料、データ解析用ソフト、報告用事務用品等購入費。
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Research Products
(1 results)