2012 Fiscal Year Research-status Report
企業ブランドの国際競争力向上を目指したブランドデザイン開発手法に関する研究
Project/Area Number |
23611034
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三上 訓顯 名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (30291959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 真也 四国大学, 経営情報学部, 助教 (60600517)
|
Keywords | 企業ブランド / デザイン開発手法 / 国際競争力 |
Research Abstract |
本研究は、私たちの生活と密接に関わってきた商品を開発し、販売し続けてきた企業そのもののブランド力すなわち企業ブランドに着目し、そのデザイン開発の新しい傾向について明らかにすることを目的としている。情報系、製造系、不動産系等、日本の産業分野におけるデザイン開発への展開が期待できる企業ブランドについて、国際競争力と独自性あるブランドの次世代デザイン開発手法の提案に資する基盤的開発方法の確立を目指している。 この研究目的を達成するため、平成24年度には、平成23年度に実施したブランド評価項目抽出のための、日本において実施した小規模インターネット調査の分析結果から抽出したキーワードに基づき作成した質問項目から質問票を作成した。具体的には、1.企業評価のポイント、2.ブランド力があると感じる企業ブラン名、3.ブランド力があると感じる企業のイメージ、4.企業とのコンタクトポイント、5.調査対象者の属性項目に関する質問を盛り込んでいる。また、この質問票による調査結果の国際比較を試みるため、インターネット調査会社である株式会社マクロミルとの間で国際調査の調査設計を進めた。日本、米国、欧州、中国の間で国際比較を試みることとし、その中でも今回の調査では各エリアの主要都市である東京、ニューヨーク、ロンドン、北京を抽出し調査対象エリアとして設定した。18~69歳の男女に対して各エリア約110サンプルを回収した。さらに、インターネット調査の限界について把握するため、同じ質問票を用いて国内において調査を実施した。 平成25年度も引き続き本研究を進展させることにより、日本企業の国際競争力と独自性あるブランドの新たなデザイン開発手法の提案を目指したい。消費者の意識に発生する差異化要因を多角的且つ国際的視点から明らかにしつつ統括的且つ一貫性あるデザイン手法を開発してゆくことの基盤を構築したいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度としては、上記【研究実績の概要】の欄に記入した通りであるが、研究の準備段階である予備調査とその調査結果 の整理に十分な時間を割いてきており、研究はおおむね順調に進展している。今後の継続的な研究により、私たちの生活と密接に関わ ってきた商品を開発し、販売し続けてきた企業そのもののブランド力すなわち企業ブランドのデザイン開発の新しい傾向について明ら かにしようとする本研究目的を達成できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成23年度に国内においてインターネット調査により実施した予備調査の結果に基づき、平成24年度に米国、欧州、中国において実施した本調査の結果について分析を進める予定である。具体的には、単純集計の結果の国別比較、男女間比較や世代間比較等属性による特徴を比較する。また、多変量解析により、消費者側から見た企業ブランド評価要因の抽出、それら要因による企業ブランドの類型化を試みる予定である。今後の調査の展開としては、今回の企業ブランドに関する国際比較調査の分析結果に基づき、企業ブランド評価に関する消費者心理についてさらに理解を深めるための調査を計画している。これら一連の研究成果を踏まえ、企業ブランドに対する現状の国際的な消費者評価、企業ブランドとデザイン要素との関係を明らかにすることにより、企業ブランドの構築に資することのできるデザイン開発手法の提案結びつけたいと計画している。なお、本研究の成果については、広く社会に還元するため、出版物としてまとめ、広報する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・研究分担者(西口真也)の勤務校である四国大学から、研究代表者(三上訓顯)の勤務校である名古屋市立大学への研究打ち合わせ のための旅費交通費、その他研究協力者の勤務校への旅費交通費及び調査設計、分析手法について助言を受けている関西学院大学大学 院(神戸三田キャンパス)への旅費交通費。 ・外部インターネット調査会社(マクロミル)への国内・海外調査委託費。 ・書籍、外部調査機関の調査資料、データ解析用ソフト、報告用事務用品等購入費。
|