2011 Fiscal Year Research-status Report
次世代の音環境の創造に向けて 環境の「質」のデザインとマネジメント手法
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23611047
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
土田 義郎 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (20227424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 利仁 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00219370)
永幡 幸司 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (50312765)
塩川 博義 日本大学, 生産工学部, 教授 (50187324)
川井 敬二 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (90284744)
森原 崇 石川工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (10413767)
船場 ひさお フェリス女学院大学, 音楽学部, 講師 (60511235)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 音環境 / 質的分析 |
Research Abstract |
本研究は「日本騒音制御工学会 音環境デザイン分科会」による調査活動と連携している。研究代表者は分科会主査であり、研究分担者は分科会におけるアクティブな委員である。 本年度においては共同研究者らが主要なパネルとなった公開討論会(2011年12月16日(金) 10:00~12:00、場所:横浜国立大学みなとみらいキャンパス、話題提供:瀬林傳(元・神戸市環境局)、永幡幸司(福島大学)、松井利仁(京都大学)、司会:川井敬二(熊本大学)を企画し、「ノイズポリシー」のあり方について検討を重ねてきている。 この活動によって、本研究で言うところの「騒音制御から音環境デザインへ」とパラダイムを変えてゆくための基盤となる考え方をここで示すことができた。すなわち「健康」と「文化」という視点を持ち、リスク評価や心理的な評価手法を持って妥当な尺度を形成してゆく必要があることを示した。また、「プロセス(手続き)の規定」、「学会規準」、「自治体への行動計画提言」といった学会から社会に向けた発信が求められるということをしめした。 また、各個人の研究成果を見ると、方法論については、個人を対象とする評価グリッド法やPAC分析、2次元イメージ展開法など、着実に事例を重ねてきている。継続的な研究の成果として、いくつかの査読つき論文も発表してきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的において「次世代に向けた環境デザインの一環として、より満足度の高い音環境を実現する戦略的・政策的なデザイン手法が不可欠である」としており、そのために本研究では、環境要因の把握方法も含めた総合的な質的分析手法の応用・開発を少しずつ進めてきている。しかし、「次世代の音環境政策」を示すにはまだ至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
目的において「どのように環境を評価し、どのように実現するかは、新しい「マネジメント」の発想が必要である」としているが、この段階にはまだ至っていない。今後の研究活動、あるいは学会活動においてこの点をより進展させる必要がある。若干の繰越額が生じているが、本研究のスタートにおいて、東日本大震災の影響もあり、交付が遅れたことが影響している。そのため、当初計画していた被験者を用いた実験は実施できていない。次年度においてはこれらを考慮した研究を進展させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究として、成果発表のための旅費を約80万円と初年度よりもやや多く見積もっている。その他は研究を実施していくうえで必要となる物品費約7万円、謝金役20万円を見積もっている。若干の繰越金は物品費に組み入れる予定である。
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Research Products
(11 results)