2012 Fiscal Year Research-status Report
次世代の音環境の創造に向けて 環境の「質」のデザインとマネジメント手法
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23611047
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
土田 義郎 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (20227424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 利仁 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00219370)
永幡 幸司 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (50312765)
塩川 博義 日本大学, 生産工学部, 教授 (50187324)
川井 敬二 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (90284744)
森原 崇 石川工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (10413767)
船場 ひさお フェリス女学院大学, 音楽学部, 講師 (60511235)
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Keywords | 音環境 / 質的分析 / 環境デザイン / 政策 |
Research Abstract |
本研究は、「日本騒音制御工学会 音環境デザイン分科会」による調査活動と連携している。研究代表者は分科会の主査であり、各研究分担者は分科会におけるアクティブな委員である。 本年度においては、音環境の質的改善を図るための基本的な原則となる「ノイズポリシー」のあり方について、各自の研究とともに委員会活動によって検討を重ねてきている。 この活動によって、本研究で言うところの「騒音制御から音環境デザインへ」とパラダイムを変えてゆくための基盤となる考え方を示すことができた。すなわち、まずは視点として「健康」と「文化」というものが人間生活の基盤であることに則り、健康に対するリスク評価や、文化的価値に対する心理的な評価手法を持って妥当な尺度を形成してゆく必要があることを示した。また、音環境をマネジメントするという点からは、「プロセス(手続き)の規定」、「学会規準の制定」、「自治体への行動計画の提言」といった学会から社会に向けた発信、しかもオーソライズされたものが求められるということを示した。 個人の研究成果を振り返ると、市民にとっての音環境の評価の実際や、人間生活に対する価値観の把握といった内容に加え、どのように質的な把握を行うかといった方法論的視点を持った研究が実施されている。国内外における学会発表などでの発信もあり、また継続的な研究の成果として、いくつかの査読つき論文も発表してきている。研究の性格上特許のような知的財産権を生ずるような成果はないが、全体としてほぼ納得しうる成果をあげつつあると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画の目的において「次世代に向けた環境デザインの一環として、より満足度の高い音環境を実現する戦略的・政策的なデザイン手法が不可欠である」としており、そのための基盤的研究が順調に進展している。住民自身による主観的な評価に加え、健康を視点としたもの、文化を視点としたものなど多面的な研究成果が得られている。「次世代の音環境政策」にむけた取り組みも徐々に形となってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画の目的において「どのように環境を評価し、どのように実現するかは、新しい「マネジメント」の発想が必要である」としている。学会としての基準作りなどの働きかけを行っているところであるが、【1】より説得力のある研究成果の獲得、及び【2】積極的な情報発信、の2点が欠かせないところである。 学会の委員会活動を通じて【2】については積極的に推進しているが、【1】のための被験者実験やアンケート調査が今後課題となることが考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究推進のためには各種の被験者実験、実地調査が欠かせない。そのための消耗品費がある程度見込まれる。また、学会などにおける情報発信や情報収集も必要なことから旅費にも多くを費やすことが見込まれる。被験者実験においてはある程度の謝金が生じることも同様に見込まれている。
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Research Products
(15 results)