2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23611049
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
大塚 英志 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20441355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 政文 神戸芸術工科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (20441363) [Withdrawn]
菅野 博之 神戸芸術工科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60549666) [Withdrawn]
杉本 真理子 神戸芸術工科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50319901) [Withdrawn]
本多 マークアントニー 神戸芸術工科大学, 先端芸術学部, 助手 (70594373) [Withdrawn]
山本 忠宏 神戸芸術工科大学, 先端芸術学部, 助教 (60441375) [Withdrawn]
中島 千晴 神戸芸術工科大学, 先端芸術学部, 助手 (00594376) [Withdrawn]
ユン ソンチョル 神戸芸術工科大学, 芸術工学研究科(研究院), 助手 (20642292) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | リミテッドアニメ / Webコミック / 映画的手法 / レイヤーの美学 / マルチプレーン / 手塚治虫 / 海の神兵 / モンタージュ的 |
Outline of Annual Research Achievements |
戦時下に成立した「映画的手法」が、戦後、紙媒体、特に雑誌メディアの中で最適化して行く中で成立した戦後まんがの文法が、web上に移行した時点で、Webという新しい環境にいかに最適化しうるかを仮説し、実作によってその妥当性を検証した。Webに移行すべき技法は「ショット、アングル等映画的な情報を含む1カットを1コマとし、それをモンタージュする映画的手法」としたが、それは、手塚の「映画的」という語が戦時下の語法として「モンタージュ的」と同義に用いられているからである。韓国Webトゥーンのような縦スクロール、絵巻的な横スクロールを含む幾つかの技法に「映画的手法」の移植を行なったが、最終歴には、中割りによる動画を用いず、静止画をカット内でレイヤーとして重ね、かつ、スライドさせ、そのようにして構成される「コマ」をモンタージュする技法に至った。これは結果としてリミッテドアニメの方法と一致した。 手塚治虫によるリミッテドアニメは「電気紙芝居」と揶揄されてきたが、まんがのコマをそのまま逐語訳的にアニメに翻訳したとさえいえるその成立史をみれば、リミッテドアニメは「映画的なまんが」のテレビへの最適化と理解できる。Webへのまんが表現の移行は、その反復である。成立した手法はトマス・ラマールら北米アニメ研究の仮説である、日本の戦後アニメのレイヤーの美学に特化した技法にも結果的になっている。レイヤーの美学については「鉄扇公主」「海の神兵」の対比において戦時下の日本アニメがマルチプレーンを採用し、中国・日本間の美学の差異の所在を確認した。まんが表現のWebへの最適化としては、まんが表現の再度の「リミッテドアニメ化」が結論である。 また、文化間の「映画的手法」の偏差を確認するため、世界各地域でワークショップ形式の調査を行ったが、副産物として、海外向けのまんが創作教授法を体系化できた。
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Remarks |
報告書を含む冊子が以下でシェアされている https://drive.google.com/file/d/0B6iMn03_LIBRUnFGek9KUG93S1E/view?usp=sharing
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Research Products
(4 results)