2011 Fiscal Year Research-status Report
出生前診断に由来する人工妊娠中絶に対する一般市民意識の調査
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23613010
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
中井 祐一郎 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50271193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下屋 浩一郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40291950)
田村 公江 龍谷大学, 社会学部, 教授 (60309119)
浅田 淳一 筑紫女学園大学, 文学部, 教授 (50202586)
鈴井 江三子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (20289218)
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 出生前診断 |
Research Abstract |
多彩な分野からの研究分担者の問題意識の共有化を図るために、研究分担者会議を開催した。この際にはアンケート調査の実際についての専門家として、社会学を専攻する秋田大学特任准教授秋田智子氏を研究協力者として招き、ご意見を伺った。研究分担者とともに、出生前診断に由来する選択的人工妊娠中絶に関しての一般市民への問いかけの要点を整理するとともに、付帯調査事項として、出生前診断に携わりかつその結果としての人工妊娠中絶を自ら実施する産科医の心情や精神的負担感も明らかに、その事実を明らかにしながら、一般市民に問いを投げかける必要が指摘された。また、比較の対象として、出生前診断には直接携わらないが人工妊娠中絶に直面する助産師の意識も併せて調査する必要が指摘された。付帯調査のうち、人工妊娠中絶に携わる医師の意識調査については、研究代表者一人では困難であるため、新たに哲学から生命倫理学の研究を進めている鹿児島大学教育学部准教授新名隆志氏と玉川大学文学部助教林大悟氏を研究協力者として招き、別途会議を開いて問いかけの内容と問題点の抽出を行った。また、通信会議により、アンケート用紙の作成を行いつつあるほか、アンケート対象の医療者確保のために大阪産婦人科医会の協力を依頼している。助産師への意識調査については、岡山県助産師会の協力のもとに、既にアンケート調査を実施し、その解析を行った。また、大阪府助産師会および大阪府看護協会助産師部会にも協力を依頼している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所期の目的である出生前診断に由来する選択的人工妊娠中絶に関しての一般市民への問いかけのアンケートについては、既に原案が完成しており、出生前診断に携わりかつその結果としての人工妊娠中絶を自ら実施する産科医の心情や精神的負担感を付加した問いかけの作成のみが残っている。付帯調査のアンケートもほぼ完成していることから、所期の目標をほぼ達成していると評価できる。一方、マスコミ関係者の研究協力依頼については、報道の中立性維持から会議への主体的参加は辞退されたものの、非公式な立場でのご意見は頂戴しており、これもまた目的を達したものと考えている。比較対象としての助産師の意識調査は、一部が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、まず産科医の心情や精神的負担感のアンケートを実施するが、これは対象者が医療者であり配布・回収とも比較的容易であることから、同年夏までに終了を予定している。平成24年秋までに、一般市民への問いかけの調査用紙を完成し、同年冬よりの配布作業を行う。これは、初期の研究計画に比べて数カ月の遅延状況となっているが、後の集計作業期間には余裕があることやこの付帯調査を先行させることによる問いの深まりによるより高度な考察を可能とすることから、研究計画全体には大きな影響を与えないと考えられる。平成25年度には、調査結果の解析とともに、学際的な視点からの考察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度には、付帯調査である産科医の心情や精神的負担感のアンケートの用紙印刷や郵送と回収に伴う費用の支出を行う予定である。同じく、所期の一般市民への問いかけの調査用紙の印刷や郵送および回収とその解析に必要なパーソナル・コンピュータの購入などの支出を行う予定である。付帯調査の研究協力者を招いての会議、および所期の一般市民へのアンケート調査に関する研究分担者会議を実施するほか、後者の配布に協力をして頂ける方への説明会を実施するために交通費等を支出する予定である。各研究分担者においては、各自の専門領域における文献資料の購入を行っているところであるが、付帯調査の必要性が明らかとなったことから、その結果を待った上で、必要資料の再選定を行い、次年度使用額は24年度の請求の研究費と合わせ、引き続き文献資料等の購入を行う予定である。
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Research Products
(1 results)