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2012 Fiscal Year Research-status Report

グローバル観光の原初的形態としてのヒルステーションに関する総合的研究

Research Project

Project/Area Number 23614023
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

稲垣 勉  立教大学, 観光学部, 教授 (10151573)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大橋 健一  立教大学, 観光学部, 教授 (70269281)
白坂 蕃  帝京大学, 経済学部, 教授 (40014790)
Keywords国際研究者交流 / マレーシア / ベトナム / カンボジア / ヒルステーション / 観光のグローバル化 / 人の移動 / ポストコロニアル
Research Abstract

本研究の目的は観光研究の拡張を目指し、植民地主義の所産であり、グローバル現象と化した途上国におけるリゾートの淵源の一つとして、ヒルステーションに関する社会科学的な分析を精緻化することである。またこれを通じて、観光が果たしてきた文化交流的側面、およびそのポストコロニアルな様態についても明らかにすることを企図している。
平成24年度の研究では、当初予定していたキャメロンハイランド(マレーシア)おける研究を中心に実施し、マラヤ大学の支援の下、現地調査を行った。キャメロンハイランドは日本人リタイヤメントコミュニティはじめとして、複雑なグローバル化の過程にある。また国内観光客増加にともなう性格変化など新しい局面も生じている。現地調査ではこれらを対象に研究を進め、農業など1次産業への波及についても調査を行った。
また従来から行ってきたベトナム・ダラットにおける調査を継続し、さらにはおなじくベトナム中部のバナにおいても、国内観光客の増加にともなうコロニアルな文化遺産の国民による回収の状況についても調査を行った。一方これらの現地調査の結果明らかになった状況を明確化するため、旧宗主国における文献・資料の収集も積極的に実施した。
これらの諸調査は、すでに成果として取りまとめつつある。これらの成果は当研究が企図していた、「国内観光の伸張にともなうヒルステーションの性格変化」「観光のグローバル化に対応したヒルステーションの変容」という視点から見てきわめて重要性が高く、現代観光の役割を考える上で意義深いものと考えられる。さらにはヒルステーションの現状と旧宗主国における資料との接合は、これまでわが国では顧みられることが少なかったコロニアルツーリズム研究の端緒として、大きな意味を持つと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度の研究計画は研究分担者・大橋健一の担当部分であるベトナム・ダラットに関しての調査研究は、本人が前期に海外研究中であったため、実質10月以降の半期しか当該研究に従事することが出来なかった。このため当初予定に比べ遅れが生じ、この部分に関しては研究費の当該年度使用残が生じた。しかし24年度は順調に遅れ部分の取り戻しを行い、繰り越しの使用残も大幅に減少している。
あわせて研究代表者・稲垣勉と研究分担者・白坂蕃は前年度に引き続き24年度も、後年度に予定していた研究の一部を前倒しで実施し、全体の研究計画の遅れを最小限とするよう努力した。ダラットにおける調査も進展し、研究スケジュールの遅れは大幅に回復している。この点からして、研究スケジュールは結果的におおむね順調に推移していると判断している。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度に生じた研究費の一部繰り越しは、24年度の研究の進展によって大幅に減少し、研究はおおむね軌道に乗っている。平成25年度は当初計画にしたがって、研究を進める予定である。しかし研究スケジュールの遅れを取り戻すため、現地調査に重点を置いた研究運営を行ったため、研究成果の取りまとめ、またその発表に関しては若干の遅れが生じている。平成25年度はタマサート大学の協力を得て、擬似ヒルステーションを中心とした研究を進め、また補足調査では国内観光の進展にともなうヒルステーションの取り戻し、ならびにその変質を中心に研究を進める予定である。同時に前記事情を勘案して、成果公表にも力点を置いた研究運営を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度からの分担者繰り越し部分は、平成25年の早期に支出が完了する。その時点で平成24年度の研究予定と経費支出が終了し、それ以降は当初計画通り補足調査を進めるとともに、前述の通り新興国において急拡大する国内観光市場が、山間部に冷涼な気候を利用して意図的に作り出した、西欧の景観を模したリゾート地域、いわば疑似ヒルステーションを対象とした研究を行う予定である。また研究成果の公表に向けた準備を行う。研究費使用は当初の費目配分で実施することを予定している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 「バイン・ミー」と「ドネル・ケバブ」2013

    • Author(s)
      大橋健一
    • Journal Title

      観光研究所だより

      Volume: 第9巻2号 Pages: 12-12

  • [Journal Article] ヒルステーションの「取り戻し」 ーカジノホテルと遊園地開発 ー2013

    • Author(s)
      稲垣 勉
    • Journal Title

      観光研究所だより

      Volume: 第10巻1号 Pages: 6-8

  • [Journal Article] 観光開発と有給休暇制度2012

    • Author(s)
      白坂 蕃
    • Journal Title

      地理の研究

      Volume: 187号 Pages: 25-39

URL: 

Published: 2014-07-24  

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