2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23614033
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山本 吉伸 独立行政法人産業技術総合研究所, サービス工学研究センター, 主任研究員 (90358284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 宗雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00344440)
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Keywords | 回遊行動 / ポスター発表 |
Research Abstract |
本研究では,提案者の開発した中長期の顧客観測技術OSF-POSを用いて顧客行動に関する質的研究と量的研究との融合を目指している. 本年度は,昨年度までの研究成果を踏まえた考察を学会発表した.昨年度に引き続き,科学研究拠点の一般公開「サイエンスアゴラ」で実験条件を変更してデータを取得した. 本技術の目的は一般顧客が大量に訪れる観光地やイベント会場での調査であるため,これまでもそのような地域・場所を調査対象にしていたが,将来の検証作業を考えれば顧客プロファイルがすべて把握されているクローズドなイベント会場での調査をして比較検討することが望ましい.そこで本年度は学会発表のうち,回遊を伴う発表形式であるポスター発表の回遊調査を行った.調査した学会の参加者総数は278人で,一人の最大ポスター閲覧数は13,一人あたりの平均ポスター閲覧数は4.32枚であった.閲覧行動の差には,テーマ選択における個人の研究関心や嗜好,閲覧に供する時間制約などが複雑に絡むものであり,旧来的な類型化は今後の課題とならざるを得ないが,調査対象者が300人弱の場合でも単純な選択肢を提示することで顧客類型を自己申告してもらう試みを同時に行ったところ,全員から回答を得ることができた.その結果,類型ごとに見ているポスターが異なること,もっともすぐれていると評価するポスターも異なることが判明した.この結果は,単純な選択肢を選ばせることは参加者にとって些細な行動であり十分な数の参加を見込めること,その選択肢で類型化の足掛かりを得ることができることを示唆している.
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