2013 Fiscal Year Annual Research Report
核酸による新しい口腔内免疫賦活化の原理の確立とその応用を目指す基盤研究
Project/Area Number |
23617001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀山 武志 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 研究員 (40569505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 清雄 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00368292)
足立 義博クリストファー 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, その他 (10616204)
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Keywords | 免疫学 / 栄養学 / 自然免疫賦活化 / 核酸 / 食品 / 口腔粘膜 |
Research Abstract |
食品由来の核酸の役割については,栄養学の領域においても充分に明らかにされていない.一方で口腔内における自然免疫システムは,生体防御という観点から重要な機能を担っている事が示唆されているが,その詳細については未だ不明である.そこで本研究では,口腔内で食餌性核酸に着目し,①食餌性核酸による自然免疫応答の賦活化メカニズムについて,②口腔粘膜を介した自然免疫賦活化メカニズムの解明を目的として遂行した.はじめに,6種類の野菜やキノコから,cetyl trimethyl ammonium bromide: CTABを用いてそれぞれの食餌性核酸を抽出し,マウスマクロファージ由来のRaw264.7細胞に刺激した.その結果,食餌性核酸で刺激後3-6時間に,IfnbおよびIl6の遺伝子が発現誘導された.次に食餌性核酸をDNase処理することで,DNAが応答性に関与すること,またTlr9欠損マウス由来のsplenocyteを用いて,この自然免疫の活性化はTlr9 を介することを明らかにした.またRaw264.7細胞を食餌性核酸で前処理してインフルエンザウイルス感染を行ったところ,ウイルス量が未処理群と比較して減少した.さらにIfnb1をルシフェラーゼ遺伝子に置き換えたトランスジェニックマウスを用いて,個体レベルで口腔組織において食餌性核酸が自然免疫を誘導するかについて調べた.その結果,刺激後8時間でルシフェラーゼの発光がコントロールと比較して有意に増強したことから,食餌性核酸の刺激によって,マウス口腔内でIfnbが誘導されることが示唆された. これらの結果は、日常生活の食事で植物由来の「核酸」を摂取することで,自然免疫系が活性化しうることを示唆している.今後口腔内免疫賦活化を介する新たな予防法を確立することや,植物由来の天然型のDNAをリガンドとして用いた安全な免疫賦活剤の開発を目指していきたい.
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Research Products
(2 results)