2013 Fiscal Year Annual Research Report
先端記憶デバイスを利用する記憶階層の再構築に関する研究
Project/Area Number |
23650026
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 寿倫 福岡大学, 工学部, 教授 (00322298)
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Keywords | 計算機システム / システムオンチップ / ハイパフォーマンス・コンピューティング / フラッシュメモリ / 相変化メモリ |
Research Abstract |
コンピュータに要求される性能は依然として上昇しているが,幸いなことに,それに応えることが可能なプロセッサ性能向上も達成されている.しかしシステム全体を眺めると,十分な性能を提供できているとは言い難い.メモリが足枷となっている.加えて,メモリはエネルギー消費量が大きい点でも問題である.すなわちメモリこそが,マイクロチップからスーパーコンピュータまでのあらゆるコンピュータを運用する際に解決すべき課題を提示している.このような問題意識から,本課題を実施した. 本課題では,近い将来に相変化メモリや磁気抵抗メモリ等の新世代メモリデバイスが利用可能になるという仮定の下で,アーキテクチャ上の工夫により高性能で低電力なメモリの実現するために,従来のメモリ階層を解体して新たに構築することを目標とした.その意義は記憶階層の解体と再構築を検討する価値があるかどうかを明らかにすることにあり,キャッシュメモリ,主記憶,そして二次記憶のそれぞれの記憶階層で次世代メモリを利用することを検討した.その結果,以下の問題が明らかになった.すなわち,(1)新世代デバイスへの置き換えによる階層や容量の最適化だけでは大幅な性能改善は不可能,(2)低速かつ大電力なデータ書き込み操作が新世代デバイスへの置き換えを阻害,(3)デバイスの特性改善だけでは不十分でメモリリクエストのスケジューリング改善が必要,である.つまり,記憶階層の再構築に価値は認められるが,新世代メモリの特性を活かすことの出来ない利用法では期待される大きな性能改善を達成できない,ということである. この知見を受けて,新世代デバイスを採用する新しい階層構造には,同時に新しい利用法が必要であると考え,今後も継続研究をして発展させていく.
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Research Products
(4 results)