2011 Fiscal Year Research-status Report
堅牢性と安全性を備えたユビキタスデータアクセスの研究
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23650031
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
申 吉浩 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 教授 (60523587)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | セキュア・ネットワーク / 高信頼性ネットワーク / 暗号・認証等 |
Research Abstract |
安全性の理論的検証 本年度は、テキストファイルのようにビットの分布に偏りが存在するケース、 複数のアーカイブ管理者が共謀するケースにおける安全性の検証を実施し、ASCIIテキストファイルを対象とし、複数のアーカイブ管理者が共謀することを仮定して、特定のビットパターンの後、特定ビット位置に0乃至1が現れる条件付確率を理論的に求めた。その結果、ファイルの最先頭と最後尾の近傍を除いて、ビット位置に依存せず、当該条件付確率は近似的に一定値となることを証明した。ASCIIテキストは8ビット毎に必ず0が現れる。この結果は、他の符号化方式で符号化されたテキストファイルにも敷衍することが可能である。上記結果をウェブ上に存在するファイルを用いた統計的検証を来年度に実施する。高速なデータ転送の実現 クラス構造の再検討・実装による実験を通じて、高速化のための手法を考案し、実装した。予備的検証で、2倍程度の高速化に成功したものと評価している。新たに考案した手法の実装は、当初来年度に実施を計画していた項目であるが、予定より進捗したことから、前倒しで実施を行った。得られた実装を用いた本格的な検証は来年度に実施する。ランダムアクセスの実現 ファイルを、乱数で決定される可変長のブロックに分割し、かつ、各ブロック内ではストレージに分配されるデータサイズが計算可能となる、ランダム分散アーカイブのアルゴリズムを考案した。本アルゴリズムにより、ファイルの特定位置を復元したり、また、アーカイブ中で変更する場合に、ファイルの先頭から位置計算を行う必要がなくなり、ランダムアクセスの効率化が図れる。実装、及び、評価については来年度に実施する。原理的プロトタイプの開発 専門のプログラマに委託し、原理的プロトタイプの開発を完了した。開発に当たっては、高速化の観点からクラス設計の再検討や基本ルーチンの速度計測を並行して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高速化の実施項目に関しては、24年度の実施計画を前倒しで実施し、考案した高速化手法の実装を行った。他の実施項目に関しては、概ね計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、手持ちの機器で作業を済ませられたこと、論文を発表した会議の開催地が偶々近く(韓国)旅費が当初計画より相当低く抑えられたこと、速度改善のための実験を実装と並行して外注先で実施してもらえたことなどにより、次年度に使用する研究費が生じた。当初予定していた24年度計画はそのまま実施することとし、実装機能・実証実験・性能評価の項目を追加して実証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発・実験に使用するための機器の新規購入、及び、実装・実証実験・性能評価のための費用(外注費・人件費)に充当する。
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Research Products
(2 results)