2012 Fiscal Year Research-status Report
街中での携帯端末間伝搬型情報交換における個人識別性管理手法の確立
Project/Area Number |
23650033
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
高田 秀志 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (30378830)
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Keywords | 携帯端末 / 伝播型情報共有 / 個人識別性 |
Research Abstract |
本研究では、携帯端末を持ち歩いているユーザ同士が街中ですれ違った際に、ユーザが保持している共有価値のある情報を携帯端末が自律的に交換する「携帯端末間伝搬型情報交換」を対象として、どのようにして「ユーザの識別性」を提供するかについて検討を行なっている。 平成24年度には、ユーザの識別性を提供するための一つの方法として、ユーザのプロフィールや投稿内容に出現する単語の共起関係を用いて特徴的な投稿を抽出する手法について検討を行った。現在は、Twitter等のマイクロブログを対象として実験等を実施しているが、この手法を携帯端末間伝搬型情報交換に応用することによって、ユーザがどのような人物であるのかをユーザ自身が判断することができるようになる。今後、この内容を論文として報告を行う予定である。 さらに、携帯端末間伝搬型情報交換を実現する一つの形態であるリング型P2P情報拡散環境について、ユーザの識別性を提供するために必要となる他ユーザからのフィードバック収集方法について検討を行い、シミュレーションによる検証を行った。これにより、リング型P2Pネットワーク構築手法の一つであるChordを用いた場合のネットワーク負荷と情報拡散時間のトレードオフを明らかにした。この内容は国内会議において発表を行った。 平成23年度に実施したBluetooth端末検出情報を用いたユーザ状況の取得手法ついては、平成24年度に国際会議において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の項目で述べた通り、当初の研究目的を実現するために必要な方式の検討については着実に実施できている。しかし、研究の開始時点では、本手法を適用して構築するプロトタイプシステムのプラットフォームを主とし てApple社のiOSとする予定であったが、最近の市場変化によりGoogle社のAndroid OSがシェアを伸ばし、更に、新しい携帯端末間通信規格としてAndroid Beam等も普及し始めていることから、最新の技術を利用した成果を出せるよう実装方法の再設計を行なっている。そのため、当初は2年間で研究を実施する予定であったが、1年間延長することとした。 平成25年度は、実装作業を加速し、当初の予定通りユーザへのアンケート調査やソフトウェアの無償配布等を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最近普及が進んでいるGoogle社のAndroid OSを対象として、端末間情報交換手段の実装を進める。その際、新しい通信規格であるAndroid Beam等を用いる方法について検討を深めていく。さらに、ソーシャルネットワークサービス上でのセキュリティやプライバシーについても近年新しい方向性が出てきているため、本研究で検討している方法との整合性について検討を行う。 開発したソフトウェアについては、学生等を被験者として利用実験を行い、アンケート調査等によって評価を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最近になって普及が進んでいる新しい環境に対応するために研究期間を延長したことをふまえ、最新機能を備えた端末の購入や、新しい環境上で実装・評価した結果についての研究発表を重点的に進める。プログラム開発やアンケート等の資料整理には研究補助者として学生・大学院生を雇用し、謝金を支払う。
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Research Products
(2 results)