2011 Fiscal Year Research-status Report
移動ロボットの行動支援のためのデータベース技術の開発
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23650047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 佳治 名古屋大学, 情報基盤センター, 教授 (80263440)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 空間データベース / 移動ロボット / モバイルデータベース / センサデータベース / 問合せ処理 / 位置情報 / ストリームデータ処理 / 確率的情報 |
Research Abstract |
本年度については,以下の内容で研究を行った.1) 曖昧な位置情報に基づく空間データベース問合せ手法の開発:移動ロボットにおいては,センシング(レンジファインダなどによる)や移動履歴をもとに位置情報の推定がしばしば行われる.推定された位置情報は曖昧な確率的情報として表現される.このような前提を踏まえ,本研究では確率的な位置情報(具体的にはガウス分布)に対して範囲問合せなどの検索を可能とする問合せ処理方式の開発を行った.特に,問合せ処理を高速化するための索引技術に焦点を当てた.空間データベースにおける代表的な索引技術であるR-木をもとに拡張を図っている.今年度はアイデアを洗練させ,問合せ処理アルゴリズムを具体化することを進めた.2) 曖昧な位置情報ストリームに対する問合せ処理:移動ロボットの移動位置を1)のように確率的にとらえた場合,移動するロボットの移動軌跡は確率的なデータストリームとなる.データストリームに対するパターンマッチ問合せなどは近年データベース分野で興味を持たれているトピックであるが,確率的な位置情報が対象となった場合の問合せ処理については十分な議論がなされてこなかった.本研究では,確率的な位置情報に基づくデータストリームに対して,a) リレーショナルデータベースを実装に用いた場合の問合せ処理方式の開発,および,b) 複合的なイベント記述によるイベント検索,に関する研究開発を行った.以上については,まだ研究の初年度ということもあり,アイデアと基本的アルゴリズム等の提案が中心であり,次年度においてその詳細についての議論を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は本計画の初年度であり,関連する技術の調査を行い,基本的な技術の開発を進めることが主な目的であった.移動ロボットに関して発生する問題(曖昧な位置情報,確率的ストリームデータの処理など)について,課題を明確にすることができた.また,それらの課題に対する解決策について,それぞれのトピックについてまず第一弾として手法を提案することができた.これらの理由により,計画は概ね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度については,今年度の成果を発展させ,より具体的な手法の開発と,手法の実装および実験による評価について取り組む.また,実際の移動ロボットを用いたシステム開発にも着手する.研究計画について特に大きな変更はない.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り,研究費はプログラム開発用・実験用PC・ノートPCや,センサ機器などの設備物品費,国内・海外の出張(研究打合せ・発表),消耗品費(ソフトウェア,論文別刷等),謝金等に使用する.
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Research Products
(6 results)