2012 Fiscal Year Research-status Report
移動ロボットの行動支援のためのデータベース技術の開発
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23650047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石川 佳治 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (80263440)
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Keywords | データベース / ロボティックス / 確率的情報 / あいまい情報 / 問合せ処理 / 移動オブジェクト / データストリーム |
Research Abstract |
移動ロボットのためのデータベース技術を開発することが本研究の目的である。将来的には、移動ロボットの「頭脳」であるコンピュータの内部でデータベースシステムが稼働することを想定し、移動ロボット技術とデータベース技術の密な連携を図ることを目指す。移動ロボットに関しては、移動に関する情報を表すための空間データベース技術や、移動ロボットで近年盛んな確率的モデリング技術と連携できるための確率的データベース技術が重要な研究開発のポイントとなる。 本年度は、以下の二つの項目について主に研究を行った。 1) 確率的位置情報に基づく空間データベース問合せ技術の開発:移動ロボットの位置を確率分布として推定することを想定する。ここでは特にガウス分布を想定している。このときに、移動ロボットの周辺のオブジェクトを探索する、距離に基づく範囲問合せを考える。確率分布の特性を考慮し、問合せ結果にその確からしさの確率が付与されるような検索となる。本研究では、このような問合せを効率的に処理するための索引手法および問合せ処理手法を開発した。国内の研究会にて発表を行い、その成果を踏まえ国際会議に投稿を行った状況である。 2) 確率的データストリームの処理技術に関する研究:ストリーム的に時々刻々とデータが得られるデータストリームに関する研究が近年盛んであるが、本研究では特にデータが曖昧であり、送られてくるアイテムに確率が付与されているような状況を考える。このような状況は、たとえばロボットによるモニタリング(必ずしも正確とは限らない)で生じる。確率的な特性を考慮し、指定したイベントパターンを検出するための複数のセマンティクスを提案し、その効率的処理アルゴリズムを開発した。その成果は国内の研究会において発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の2年目であり、計画としては提案手法の洗練などを行っていく時期にあたる。実際のところ、二つの研究サブテーマ(曖昧位置情報に基づく問合せ処理、確率的データストリームの処理)に関して着実な進展が見られている。今年度については主にアルゴリズムを中心とした開発を目的としていたが、おおむね順調といえる程度の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、前年度に開発した手法について、より洗練を図ることと評価を進めることが目標となる。曖昧な位置情報に基づく問合せについては、さらに実験を進め、他の国際会議への投稿や論文雑誌への投稿を行いたいと考えている。確率的データストリームに関する研究に関しては、実データを用いた評価など、実験を進めたいと考えている。 第二に、本研究室ですでに購入している移動ロボットシステムにおいて、提案した手法を実際に稼働させ評価することが大きな目標として残っている。移動ロボットの実機で評価することにより、新たな知見が多数得られると考えられ、早期に実施したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議へ論文を投稿したことから、採択された場合には海外出張を行う必要がある。欧州における会議を想定しているため、この費用がかなりの支出を占める予定である。また、論文雑誌への投稿による出版費用も支出する必要がある。 これらの支出以外に、国内の研究集会やチュートリアルへの参加、実験評価のためのコンピュータの購入などを予定している。
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Research Products
(5 results)