2012 Fiscal Year Research-status Report
木構造データの複数パラダイム混在処理方式に関する研究
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23650048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田島 敬史 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60283876)
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Keywords | 木構造データ / ナビゲーション / 経路式 |
Research Abstract |
前年度に引き続き,木構造データに対するナビゲーション処理とパターンマッチによる処理の双方を効率良く実現できるような木構造データの格納方法,より具体的には,木構造データのノードをどのような順序で並べて保持すればよいかに関する研究を行った.前年度は,申請者らが以前に開発した,ナビゲーション処理におけるディスクI/Oコストについて最適化された並べ方をベースに,ナビゲーション処理に対するI/O最適性を維持したまま,できるだけ経路式によるパターンマッチによる処理についても性能が悪くならないようにノードを並べる方法を開発したが,本年度は,扱う経路式を拡張し,開発したノードの並べ方の上で,最小マッチと極小マッチ,すなわち,「この経路式にマッチする最短の経路」や「この経路式にマッチする極小の経路」を効率良く求める手法を開発した.最小マッチや極小マッチは,単に与えられた経路式にマッチする経路を返すだけではなくて,それらをランキングして返す必要がある応用などに有用だが,このような,最小マッチや極小マッチの効率的な求め方に関する研究はこれまでに行われていなかった.今回,申請者らが開発したノードの並べ方は,これら最小マッチや極小マッチを効率良く求める上でも有用であることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では,初年度に一種類のデータ構造で,ナビゲーション処理,走査処理,パターンマッチ処理の全てに対応する手法について検討し,二年目以降に,複数のデータ構造を併用する手法について検討する予定であったが,一種類のデータ構造を用いる手法について,最小マッチや極小マッチの処理への拡張など,当初予定していなかった発展があったため,複数データ構造を併用する手法に関する検討の開始が遅れている.三年目からは,複数データ構造を併用する手法に関する検討を開始する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画になかった部分での発展があったため,時間的な進度としては遅れているが,当初の計画内容を進める上での障害が生じているわけではないので,引き続き,研究計画通りに研究を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度までの支出状況はほぼ予定通りであり,次年度に使用することとなった研究費はごくわずかである.次年度に請求する研究費と合わせて,当初計画通りに使用する予定である.
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