2014 Fiscal Year Annual Research Report
木構造データの複数パラダイム混在処理方式に関する研究
Project/Area Number |
23650048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田島 敬史 京都大学, 情報学研究科, 教授 (60283876)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 木構造 / ナビゲーション / 走査 / 検索 / パス式 / 経路式 / パターンマッチ / 問合せ処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
木構造データに対するナビゲーション処理,走査処理,パターンマッチ処理の各々については,それを効率よく処理するための木構造データの格納方法の研究や技術が,これまで既に存在していた.しかし,一つの木構造データに対して,例えばナビゲーション処理とパターンマッチ処理の双方を実行する必要がある場合に,その双方を効率良く実行できるための格納方法は知られていなかった.本研究では,まず,研究代表者らが本研究の以前に開発した複数始点1ステップのナビゲーションを効率よく実行するための格納方法をベースに,単純にこれをn回繰り返すよりも効率よく,複数始点nステップのナビゲーションを実行する手法を開発した.さらに,この手法を応用することで指定されたパスのパターンにマッチする部分のみを効率よく取り出す手法を開発した.また,この格納手法では,木構造のノードをある特殊な並べ順で格納するが,この格納方法だと,与えられたパスパターンにマッチするパスの中で最小のものや極小のもののみを見つける処理も効率良く行えることを示した.さらに,同じ木構造データに対して,ナビゲーション処理と走査処理が混在した処理列を効率よく実行したい場合のための手法として,ナビゲーション処理に適したデータ構造と走査処理に適したデータ構造を併用し,一方への更新を他方にも反映させることで高効率の実行を実現する手法を開発した.さらに,その際に,与えられた処理列内の処理の順番を結果に影響を与えない範囲で並び替えて,できるだけナビゲーション処理と走査処理のそれぞれが近くに集まるようにすることで,さらなる効率化を実現する手法を開発した.さらに,ここまでの手法は木構造データのみを対象とするものであったが,一般のグラフデータを木構造とそれ以外の辺に分解して格納することで,いくつかのグラフアルゴリズムを効率よく実行できる格納方法について検討した.
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