2012 Fiscal Year Research-status Report
ライティング・ライフログ: 画像検索に基づくカメラペンインタフェースの挑戦
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23650063
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
黄瀬 浩一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80224939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩村 雅一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80361129)
大町 真一郎 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30250856)
内田 誠一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院), 教授 (70315125)
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Keywords | ライフログ / カメラペン / 紙指紋 / ペンアップ・ペンダウン / 文書画像検索 / 筆跡復元 / 筆記位置推定 |
Research Abstract |
ライティング・ライフログとは,ユーザからの文字を用いた情報発信を全て記録するものである.特に本研究は,紙とペンによる手書きをディジタル化する手法に関する.同様の枠組みとしては,従来からアノトペンがよく知られているが,このペンの動作には,細かいドットを印刷した特殊な紙が必要である.本研究の目的は,文書画像検索と紙指紋を用いることにより,この問題点を解決し,通常の紙でも動作するペンを構築することである.これまでの研究により,両者を用いると通常の紙で動作することが確認されている.実用に供する際の大きな問題点は,ペンアップ・ペンダウンの判定ができないことと,動作中にペン位置の推定がドリフトし,誤差が蓄積していくことの2点であった.本年度は,これらの点を解決した.具体的には以下の通りである.ペンアップ・ペンダウンの判定については,マイクロスイッチを用いた物理的な判定法を導入して解決を図った.実験により良好に動作することが確認された.誤差の問題については,実際に紙の上に書かれた筆跡と,復元された筆跡を照合することによって対処する手法を提案した.このとき,誤差が微小であることに着目し,平行移動のみを考慮することにより,高速化や安定化を図った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの達成度は以下の通りである.カメラペンには,筆跡の復元と,復元した筆跡を文書に関連付ける処理(位置決め)の2つの機能が必要である.これらの機能については,本研究によって成果が得られていると考えている.一方で,ライティング・ライフログを実現するためには,ペンの使いやすさ,自由な筆記でも動作するロバスト性の2点が必要である.これらの点については,まだ改善の余地がある.この点を改善すべく,当該年度に様々な改良を試みたものの,未だ十分な成果が得られていない.その理由は,主にハードウェアの制限による.カメラとして小型で高速なものがないかぎり,問題を根本的に解決するのは難しいのではないかと考えている.逆にいえば,小型・高速なカメラを利用すれば,問題を解決できる可能性は高い.
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Strategy for Future Research Activity |
達成度の項目のところで述べたとおり,使いやすさとロバスト性の改善が今後の研究課題の中心となる.方策としては,次の2通りを考えている. (1) カメラペンによるロバスト性の向上:最も大きな問題点は,自由手書きの際に生じるモーションブラーである.この問題点を解決するため,シャッタースピードを高めた設定でカメラを使うことを考える.これにより,必ずしも高速フレームレートのカメラでなくても,ブレの少ない画像を得ることができると考えている.これにより,問題を解決できる可能性がある.ただし,シャッタースピードを高めると画像が暗くなることから,適切な後処理が必要である. (2) カメラペンを離れた方法によるライティング・ライフログの実現.カメラをペンに取り付けるのではなく,ユーザにカメラを取り付けることによって,ライティング・ライフログを実現する手法も検討する.ユーザは筆記の際に自身の筆跡を必ず見ているため,ユーザにカメラを取り付けた一人称ビジョンを用いると,筆跡を復元できる可能性がある.こちらの設定の問題は,カメラの取り付け位置が紙面から遠くなる点である.この問題点を解決するためには,高解像度カメラを用いる必要性がある.なるべく小型で高解像度のカメラを用いて,この問題の解決を図る. 以上の2点を今年度の方針とする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の推進方策のところで述べたとおり,(1), (2)の要件を満たすカメラを購入して実験を行うことを考える.加えて,カメラを接続し実験を行うためのパーソナルコンピュータを購入する予定である.他には,実験をサポートするためのソフトウェア,ならびに成果発表のための旅費などに利用する予定である.
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Research Products
(6 results)