2011 Fiscal Year Research-status Report
ホメオスタシスを有する人間型ハンドの恒常性を利用した物体識別
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23650098
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細田 耕 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (10252610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池本 周平 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (00588353)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ホメオスタシス / 温度恒常性 |
Research Abstract |
ヒトの場合,触った物体の温度と体温の違いから材質を感じたり,長く触っていると物体の局所的な温度が体温と近くなり,異物と感じなくなるなど,ホメオスタシス(生体恒常性)が知覚,特にハプティクスに大きく影響している.本研究では,把持物体の材質や形状識別を対象とし,このようなホメオスタシスをロボットに持たせることによって,ヒトと同等の知覚能力をもたらすことができるという仮説を提起し,実際に恒常性を持つロボットハンドを開発することによって,これを構成的に証明することを目的とする.平成23年度は,このような実験を行うための柔軟な皮膚を持ち,人間と類似した駆動構造を持つロボットハンドを開発し,滑りの学習についての実験を行った.このロボットハンドには,ひずみの振動を検知するPVDFフィルムと,ひずみゲージが皮膚内に埋め込まれており,ひずみ振動を検出することによって,初期滑りを知覚することができる.本年の実験を通して,ニューラルネットワークを用いた連関学習によって,このような初期滑りを,ひずみゲージで予測することができることを検証し,この予測を用いて,滑りを未然に防ぐような把握制御を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度恒常性を含むホメオスタシスをロボットハンドに実装するために,新たな機構とセンサシステムに関する検討と,それを用いた把握の実験があらかじめ必要であった.本年の実験により,人と同等の構造を持つハンドを開発することができ,また本研究でターゲットとしてるすべり検出と防止を学習する方法についての基礎的な知見が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,開発したロボットハンドに温覚センサを取り付け,既に埋め込まれているひずみ振動センサ,ひずみセンサと併せて,非常に高密度に受容器が埋め込まれたロボットハンドシステムを開発する.そして,ホメオスタシスに基づく学習を提案し,人のものと相似なマニピュレーションの実現を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ロボットハンドの開発費と,研究発表のための旅費に主に使用する予定である.研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが,研究計画に変更はなく,前年度の研究費も含め,当初予定通りの計画を進めていく.
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