2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23650105
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
設樂 宗孝 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10357189)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 視覚認識 / 視覚的ノイズ / 確率共鳴現象 / セロトニン |
Research Abstract |
視覚認識視覚認識において確率共鳴現象がどのような条件で起こるかどうかを調べるために、サルに逐次型遅延見本合わせ課題をトレーニングする必要があるが、そのための実験制御装置を作成した。パターン認識課題として、「逐次型遅延見本合わせ課題」を用いる。パターンとしてはWalsh パターン等を用いる。サルがモンキーチェアー内のバーを握るとタスクが開始され、コンピューターモニターにサンプル刺激が呈示される。この後、サンプル刺激とは異なるパターンであるノンマッチ刺激が0-3個呈示された後に、サンプル刺激と同じパターンであるマッチ刺激が呈示される。サルは、マッチ刺激が呈示されてから1 秒以内にバーから手を離さなければならない。正解すれば報酬のジュースを与える。ノンマッチ刺激およびマッチ刺激、背景にはランダムドットノイズを加える。この課題を行うために、パターン刺激の提示にはPresentation softwareを用いたPC、課題の制御とデータの取得にはQNX operating system上でREXプログラム(real-time experiment system)を用いたPCを使用し、両者をDIOボードで接続して通信することで実験制御する装置を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度サルのトレーニングを行う予定であったが、大震災の影響によって実験を中止しなければならない期間があったなど、さまざまな影響があったため、研究の進展が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
「逐次型遅延見本合わせ課題」をサルにトレーニングし、サルの課題正解率が70%以上になったら、ノンマッチ刺激およびマッチ刺激、背景にランダムドットノイズを加える。加えるノイズの量およびランダムドットノイズの大きさを検討する。サルが学習困難と判断した場合には、より簡単な2 選択型の遅延見本合わせ課題を検討する。サルは、マッチ刺激が出てきた時、モンキーチェアー内のバーから手を離さなければならないが、このバーを離す反応時間がパターン認識の時間と相関すると考えられる。そこで、ランダムドットノイズの大きさと量を様々に変化させたときの反応時間を測定する。また、パターン認識における脳内セロトニン濃度の影響を調べるために、課題遂行前日にトリプトファンの摂取を制限して血中セロトニン濃度を下げた状態で課題を遂行させた場合を、トリプトファン摂取を制限しない場合と比較する。トリプトファン調整飼料のみでは脳内セロトニンを十分に枯渇できていない可能性が疑われたときには、セロトニン合成に必須のトリプトファン水酸化酵素を阻害する、パラクロロフェニルアラニンを経口的に追加投与する。一方、反対のケースとして、5-水酸化トリプトファンの投与によって脳内セロトニン濃度を上昇させる手法を用いる。5-水酸化トリプトファンの投与のみでは脳内セロトニン濃度の上昇が十分ではない可能性が疑われたときは、セロトニン再取り込み阻害剤の追加投与を試みる。これらの操作によって、反応時間が最小になるノイズの量が変化するかどうかを調べる。また、ヒトを被験者にして同じ課題を行った場合の反応についても計測を行い、視覚的ノイズの影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
課題を行うための消耗品、視覚刺激作成のためのPC、セロトニン濃度の影響を調べるための薬品類などに使用する。
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