2011 Fiscal Year Research-status Report
図書館を学習課程の中心に置く:探究型学習の方法に関する教育実験と評価
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23650121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根本 彰 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90172759)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 探究学習 / 卒業研究(高等学校) / 学校図書館 / 学習スペース / 東京大学附属中等教育学校 / 学習方法 / カリキュラム |
Research Abstract |
連携研究者5名、附属学校教員6名、附属学校図書館職員1名の12名体制で研究を始めた。当初は、卒業研究を探究学習の一つのケースととらえてとくに学習情報環境の向上のために学校図書館を整備することの重要性について、参加者の合意をつくりあげることから出発した。とくに教員はそのような認識があまり共有されていなかったので、秋口には大阪府岸和田市の清教学園高校で進められている探究科の公開授業(卒業論文執筆のための授業)にメンバーのなかから3名が参加することにより、理解を深めようとした。 その間、学校図書館の蔵書整備を行った。まず、百科事典等、学校図書館として必要な参考図書をまとめて購入した。また、過去数年の卒業研究のテーマを学校図書館担当者に分析してもらい、これをもとにして新たに150冊ほどの図書を購入してもらった。なお、この費用は、同時に参加している基盤研究(A)「社会に生きる学力形成をめざしたカリキュラム・イノベーションの理論的・実践的研究」から支出してもらった。 卒業研究の意義を分析するために、生徒および教員に対するアンケート調査を実施した。生徒用アンケートについては、テーマ選択の動機や文献や情報収集の方法、執筆過程での困難や自己評価について卒業論文提出者に尋ねるもので、今後毎年実施する予定にしている。教員対象の調査は、教育課程全体における卒業論文執筆の意義や卒業論文を進めるにあたっての方法(体験中心か文献中心か)などについて尋ねるものである。 最後に、図書館を学習環境の中心とするための環境整備の一環とし、また、本研究の共同研究のツールとしても使う電子黒板の配備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一つの点を除いて、順調に研究を進めることができた。一点というのは、卒業研究のテーマを生徒が選ぶときに気軽に相談ができる大学院生を「探究アドバイザー」として配備する予定であったが時期尚早ということで一年見合わせたことである。教員のあいだに十分な合意がないうちに新しい制度を実施してもなかなかうまくいかないことが予想されたために、合意形成に意を注いだ。上記の初年度の研究実績で書いたことはその概要であり、「図書館を学校の中心に置く」という意図についての理解は少しずつ進んできていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
卒業研究の執筆過程は次のようになっている。 「テーマ選定(4年生冬)→グループ決定・研究開始(5年生春)→研究活動(5年生夏秋)→中間口頭発表(5年冬)→論文執筆(6年春)→論文提出(6年夏)→最終口頭発表会(6年秋)」 このなかで次の点について検討しながら研究を行うことにする。まず、テーマ選定について、大学院生のアドバイザーを入れる。アドバイザーには事前に研修を行う。また、アドバイスしたことおよび観察したことについて記録をつくり最終的にそれを分析する。そして卒業研究のための文献資料のリクエストについて対応できるようにする。また、論文提出後に、生徒にアンケート調査を行う。 さらに、本校と類似の教育課程をもつ学校が全国にある。とくに、本校の卒業研究のモデルとなった茨城県つくば市茗渓学園高校には、昨年度に担当者に話しを聞いたが、相互の交流を行う可能性も合わせて検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最初の計画通りに進めることを考えている。直接経費80万円のなかで、物品費30万円、旅費10万円、人件費・謝金30万円、その他10万円となっている。 物品費は図書館の図書購入を進めるための経費である。リクエスト制度も含めて蔵書を豊かにして探究学習を進めやすい状況をつくる。旅費は全国の類似校との連携交流のための資金である。人件費・謝金は「探究アドバイザー」を導入するための資金である。
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Research Products
(4 results)