2012 Fiscal Year Research-status Report
マンガに関する人文・社会科学研究の国際的・学際的データベースの構築
Project/Area Number |
23650123
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
家島 明彦 島根大学, キャリアセンター, 講師 (00548357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柊 和佑 稚内北星学園大学, 情報メディア学部, 講師 (80530659)
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Keywords | マンガ / 人文・社会科学 / 学際的 / 国際的 / データベース / 国際情報交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
【プロジェクト運営】 (1)メーリングリストによる情報共有(随時),(2)ウェブ会議システム(Skype)を利用したオンライン・ミーティング(隔週&適宜),(3)関東と関西における悉皆調査合宿,(4)メンバー各自の悉皆調査を通してプロジェクトを進めた。 【悉皆調査と学会発表】 (1)人文・社会科学における各学問分野の主要な学会誌・ジャーナル・関連雑誌(メンバーの専門分野である心理学,社会学,教育学,ジェンダー研究,歴史学,日本文学,英文学,独文学,仏文学,児童文学から抽出した合計77誌)の2749冊分の悉皆調査を終えた。(2)その結果,272本の論文と522本の関連論文(アニメ,ゲーム,絵本,ポップカルチャー,少年少女雑誌など近接領域を扱っている論文,マンガそのものを扱うわけではないが研究内容がマンガ研究に応用できそうな論文,一言だけ「マンガ」という文字が出てくるだけの論文など)が見つかった。(3)中間報告として,悉皆調査結果を基に,平成24年11月3日に北海道(札幌学院大学)で開催された第85回日本社会学会大会のテーマセッション4:マンガ研究と社会学の接点(1)において,家島明彦・池上賢・秦美香子・西原麻里・足立加勇の5名が連名で,プロジェクトに関する一連の口頭発表「社会学におけるマンガに関する研究の概観と展望」(1)~(4)をおこなった。 【データベース構築】 (1)島根大学内にサーバーを構築した。(2)プロジェクトのサイト(http://ieshima-kaken.soc.shimane-u.ac.jp/index.html)を公開した。(3)国立情報学研究所の提供する情報共有基盤システムNetCommonsとリポジトリモジュールWEKOを使って文献検索データベースを仮構築した。しかし,WEKOに関しては接続の不安定などの障害に見舞われているため,別の公開方法も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悉皆調査(※)に関しては,計画通り進んでいる(2749冊分の悉皆調査を終え,800弱の論文を抽出している)。多言語化に関しては,当初11カ国語の計画であったが,翻訳ソフトの性能向上と外国人研究協力者の拡充によって,プロジェクトの概要については11カ国語以上の言語で国際発信できる見込みである。データベース構築に関しては,リポジトリモジュールWEKOにおいて動作不安定障害が生じているが,別の形での公開方法の検討により最終年度には予定通り公開できる見込みである。 ※本プロジェクトの悉皆調査とは,各学問領域における主要な学会誌・ジャーナル・関連雑誌のうち,当該分野で権威ある学会誌から順に選定し,所蔵図書館に足を運び,1巻から順に手にとって,1ページずつ紙を指でめくりながら,マンガに関する記載がないかを実際に目でチェックする作業のことをいう。
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Strategy for Future Research Activity |
主として下記4つの内容を並行して進めていく。 (1)前年度から継続して悉皆調査を進める。対象となっている学会誌・ジャーナルの取捨選択を行い,8月までには悉皆調査に一旦の区切りをつける。 (2)8月以降,悉皆調査の結果をデータベースに流しこみ,オンライン上での公開準備をおこなう。データベースの接続不安定障害が改善されない場合は,別の公開方法も視野にいれて検討する。 (3)入力したデータとデータベースの多言語化を進める。海外の(あるいは外国人の)研究協力者や留学・翻訳経験のある研究協力者と連携しながら,英語,ドイツ語,フランス語,イタリア語,スペイン語,ポルトガル語,中国語,韓国語,その他(タイ語,フィンランド語など随時追加)へと翻訳していく。 (4)学会等でプロジェクトの最終成果報告をおこなうと同時に,報告書を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記「今後の研究の推進方策」に対応した研究費の使用を計画している。すなわち,次年度の研究費は主として(1)悉皆調査にかかる費用,(2)データベース構築にかかる費用,(3)翻訳作業にかかる費用,(4)成果報告(学会発表)にかかる費用,の4種類に使用することを計画している。最終年度なので,とくに(3)と(4)に重点を置くことになる。 なお,平成24年度未使用額(821,000円)が生じたのは,上記のとおりデータベース構築において予想外のネットワーク障害に直面したことが主な原因である。接続不安定障害のせいでプラットフォームとなるデータベースの形式を変更する可能性が生じたため,データベースの完成や多言語化において使うはずであった金額が持ち越されている。しかし,現在では別方法でのデータベース公開方法も検討し,ネットワーク障害が改善されない場合の対処も考えてある。 平成25年度5月には北欧コミック研究国際会議に参加し,プロジェクトの成果報告をおこなうと同時に北欧の研究者と交流する。また,北欧におけるマンガの消費動向やマンガに関する研究の動向について調査を実施する予定である。
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Research Products
(28 results)