2013 Fiscal Year Research-status Report
マンガに関する人文・社会科学研究の国際的・学際的データベースの構築
Project/Area Number |
23650123
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
家島 明彦 島根大学, キャリアセンター, 講師 (00548357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柊 和佑 稚内北星学園大学, 情報メディア学部, 講師 (80530659)
|
Keywords | マンガ / 人文・社会科学 / 学際的 / 国際的 / データベース / 国際情報交換 / 多言語 |
Research Abstract |
【プロジェクト運営】(1)メーリングリストによる情報共有(随時),(2)ウェブ会議システム(Skype)を利用したオンライン・ミーティング(隔週&適宜),(3)関東と関西における悉皆調査合宿,(4)メンバー各自の悉皆調査,を通してプロジェクトを進めた。 【悉皆調査】(1)人文・社会科学における各学問分野の主要な学会誌・ジャーナル・関連雑誌(メンバーの専門分野である心理学,社会学,教育学,ジェンダー研究,歴史学,日本文学,英文学,独文学,仏文学,児童文学から抽出した合計77誌)の4225冊分(昨年度2749冊から新たに1476冊)の悉皆調査を終えた。(2)その結果,399本(昨年度272本から新たに127本)の論文と740本(昨年度522本から新たに218本)の関連論文(アニメ,ゲーム,絵本,ポップカルチャー,少年少女雑誌など近接領域を扱っている論文,マンガそのものを扱うわけではないが研究内容がマンガ研究に応用できそうな論文,一言だけ「マンガ」という文字が出てくるだけの論文など)が見つかった。 【国際学会発表・海外調査・英語論文】(1)中間報告として,5月中旬にフィンランドで開催された国際会議NCORE2013(Nordic Network for Comics Research,コミック研究の北欧ネットワーク)において,メンバー2名がプロジェクトに関する発表を3件行うと同時に,世界各国から参集した各国の研究者と交流・情報交換を行った。(2)また,エストニアとラトビアにおけるマンガ受容状況,マンガ研究状況を実地調査した。(3)さらに,メンバー1名が悉皆調査と国際学会発表の結果に基づいた英語の紀要論文を執筆した。 【データベース構築】WEKOを使ったデータベース構築が困難であることが発覚したため,Mendeleyを使ったデータベース構築に切り替えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
悉皆調査(※)に関しては,合計4225冊分の悉皆調査を終え,1139本の論文を抽出することができた。埋もれていたマンガに関する学術研究を約400本(関連論文も含めると1000本以上)も掘り出した功績は大きいと言える。一方,当初の予想よりも「マンガに関する人文・社会科学研究」が多かったこと,悉皆調査は想像以上に時間と労力がかかることが明らかになった。ゆえに,3年間では当初にリストアップした学会誌すべてを調査することはかなわなかった。 多言語化に関しては,データベース構築のトラブルに伴い,やや遅れている。しかし,国際情報交換の成果で外国人研究協力者が拡充されたので,プロジェクトの概要については11カ国語以上の言語で国際発信できる見込みである。 データベース構築に関しては,リポジトリモジュールWEKOにおいて動作不安定障害が生じたため,Mendeleyを使ったデータベース構築に方向転換した。 これらの結果,研究期間を1年間延長することにした。 ※本プロジェクトの悉皆調査とは,各学問領域における主要な学会誌・ジャーナル・関連雑誌のうち,当該分野で権威ある学会誌から順に選定し,所蔵図書館に足を運び,1巻から順に手にとって,1ページずつ紙を指でめくりながら,マンガに関する記載がないかを実 際に目でチェックする作業のことをいう。
|
Strategy for Future Research Activity |
下記3つの内容を並行して進めていく。 (1)悉皆調査は一旦区切りをつけ,調査した4225冊から見つかった399本の論文の情報をMendeleyに入力してデータベースを構築する。 (2)入力したデータとデータベースの多言語化を進める。海外の(あるいは外国人の)研究協力者や留学・翻訳経験のある研究協力者と連携しながら,英語,ドイツ語,フランス語,イタリア語,スペイン語,ポルトガル語,中国語,韓国語,その他(タイ語,フィンランド語など随時追加)へと翻訳していく。 (3)学会等でプロジェクトの最終成果報告をおこなうと同時に,報告書を作成する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データベースへの論文情報入力と多言語化に労力がかかるため,研究期間を1年間延長し,一部にアルバイトの雇用や外注を含めることをプロジェクト会議で協議・決定したため。 (1)旅費(会議・学会発表のため),(2)謝金(データベースへの論文情報入力補助と多言語化のため)を中心に使用する計画である。
|
Research Products
(31 results)