2012 Fiscal Year Research-status Report
仮想現実技術を用いた新しい認知・心理実験パラダイムの開発と応用
Project/Area Number |
23650141
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
脇坂 崇平 独立行政法人理化学研究所, 適応知性研究チーム, 研究員 (40513445)
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Keywords | 認知心理学 / ヒューマンインターフェイス / アミューズメント / ヴァーチャルリアリティ |
Research Abstract |
研究実施計画は、主に以下の3つの内容からなる。(1)代替現実(SR)システムの開発(2)SRシステムを用いた認知心理実験(3)体験型アミューズメントとしての展開、応用(4)誌上および口頭での成果発表 2012-2013年度は、主に(1)と(3)について大幅な進捗が見られた。 (1)各種仕様を大幅にアップグレードした(画質、視野角等)。また視線追跡装置の開発および組み込みを行った。従来の視覚聴覚の操作に加え、簡易ではあるが触覚の操作も実現した。これにより従来に比べて実現可能な体験コンテンツ、実験課題が大幅に増えた。 (3)理化学研究所とJST日本科学未来館共催の形で、SRシステムを用いたアートパフォーマンスイベント『MIRAGE』を開催した(2012年8月)。また、東京ゲームショーにてSony社とともに『没入快感研究所』を手がけた(2012年9月)。また、経産省主催のデジタルコンテンツエキスポにおけるinnovative technilogiesに採択され、日本科学未来館にて体験デモを行った(2012年10月)。上記三つのイベントは全て国内外で、アカデミック、一般を問わず反響が大きく、また数多くのメディアにて取り上げられた。 (4)オープンアクセス論文誌『Scientific Reports』にて、研究成果を発表した。(Sohei Wakisaka, Keisuke Suzuki and Naotaka Fujii:Substitutional Reality System: A Novel Experimental Platform for Experiencing Alternative Reality, Scientific Reports, vol.2, Article Number 459, 2012)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
装置開発、応用展開、成果発表については、上述のように順調に進展している。とくに応用展開については、国内外から多くの問い合わせ、共同研究の打診をうけており、現在すでにいくつかの共同研究が本研究より派生している。 ただし認知心理実験課題(健常者での作話メカニズム、デジャヴなどの認知心理現象の生成メカニズム)については、予備的実験を重ねる段階にとどまっている。理由としては、研究計画で記述した実験を実施するための装置の要件が、当初想定していたよりも高グレードなものであり、装置開発を続ける必要があったことと、また応用、アウトリーチ活動が先行してすすんだために認知心理実験計画・実施に十分な時間がとれなかったことが大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 上述の認知心理実験課題を2013年度前半に早急に実施する。 2) 加えて脳波計測を行う実験を考えており、脳波計測機器の実験装置への組み込みを2012年度よりすでに開始している。これを早い段階で完成させ、実験に導入する。 3) 装置の開発を平行して継続し、本研究実施者以外でも利用できるよう、実験装置のモバイル化、オープンソース化および付随する仕様策定を行う。 4) 現在いくつか進行しているアミューズメント体験装置としての応用企画を実施する。 5) 成果発表を論文誌、学会にて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)