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2011 Fiscal Year Research-status Report

カンナビノイドによる軸索投射刈り込みの可能性の検討

Research Project

Project/Area Number 23650206
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

木村 文隆  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00202044)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊丹 千晶  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90392430)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2012-03-31
Keywords発達 / 可塑性 / 薬物依存 / 回路形成
Research Abstract

大麻の有効成分であるカンナビノイドは、近年、脳内に広範に分布する逆行性の神経伝達物質として注目を受けていたが、大脳皮質体性感覚野においては、4層-2/3層間のスパイクタイミング依存性可塑性のうち、逆タイミング刺激による長期抑圧が、カンナビノイド依存性であることが知られている。また、この投射は長期抑圧の後、逆タイミング発火を起こす領域への投射が刈り込まれる可能性が示唆されている。このことはカンナビノイド投与単独でも、4層-2/3層投射が刈り込まれる可能性を示している。最近我々は、4層-2/3層のスパイクタイミング依存性可塑性の性質を調べている中で、生後2週目には逆タイミングによる長期抑圧が欠落していることを見出した。さらに、同時期視床から2/3層への投射は逆タイミングによる長期抑圧を示すことを見出した。また、この投射は驚くべきことに逆タイミングだけでなく順タイミングでも同様に長期抑圧を示すことを見出した。すなわち、生後3週目、視床-2/3層シナプスは、4層ー2/3層投射と可塑性の方向が正反対のスパイクタイミング依存性可塑性を示し、我々はこれを反ヘビアンSTDP(anti-Hebbian spike timing-dependent plasticity)と名付けた。またこのように、2/3層へは4層からと視床からと相反するSTDPが収束することは、視床の活動のみで自動的に視床由来の投射が刈り込まれ、4層由来の投射が伸張することが予測される。これを確かめるため、視床と4層に刺激電極を挿入し、視床と2/3層を順タイミングで刺激した。その結果、予測通り視床刺激に対しては長期抑圧を示すと同時に、4層刺激に対しては長期増強となった。以上から、カンナビノイドは、回路形成にも関与している可能性が高い。今後、これらを形態的に裏付ける必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初は、遺伝的改変マウスを用いて、形態的な解析により重点を置いて実験を進める予定であったが、遺伝的改変マウスの入手に予想外の時間を要し、また感染事故のため飼育上でも余分な時間がかかったため、形態的解析は予定通りには進まなかった。しかしその反面、電気生理実験において予想外の興味深い発展があり、カンナビノイドの新たな局面を見出すことができ、おおむね順調といえる。

Strategy for Future Research Activity

感染事故等により、当初の予定通りには動物を入手することができず、一部の実験が遂行困難となった。また、遺伝子改変マウスの入手が予定通りに進まず、動物の入手が困難であった。そのため、当該研究費が生じた。今後、遺伝子改変マウス等を用いた、電気生理実験、形態学的検討を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

カンナビノイド作用薬投与によって、形態変化の可能性を検討する。またこの実験を、複数の遺伝子改変マウスにおいて検討する予定である。このため、1型カンナビノイド受容体欠損マウス、視床特異的1型カンナビノイド受容体欠損マウス、DGLα(内因性カンナビノイド合成酵素)欠損マウスを導入する。また、視床特異的GFP発現マウスの有用性も考慮中である。次年度の研究費は主にこれらの飼育費、消耗品、成果発表に使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 発達期バレル皮質2/3層錐体細胞への2つの異なるスパイクタイミング依存性可塑性の集束2011

    • Author(s)
      木村文隆、伊丹千晶
    • Organizer
      第34回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2011年9月15日
  • [Presentation] Developmental switch in the spike timing-dependent plasticity at layer 4 to layer 2/3 synapses in coincident with the initiation of critical period in the mouse barrel cortex2011

    • Author(s)
      Kimura, F. and Itami, C.
    • Organizer
      8th IBRO World Congress of Neuroscience
    • Place of Presentation
      Firenze, Italy
    • Year and Date
      2011年7月18日
  • [Presentation] Developmental switch in the spike timing-dependent plasticity underlying the initiation of map plasticity2011

    • Author(s)
      Itami, C. and Kimura, F.
    • Organizer
      41st Annual Meeting for the Society for Neuroscience
    • Place of Presentation
      Washington, D.C.
    • Year and Date
      2011年11月13日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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