2012 Fiscal Year Annual Research Report
カンナビノイドによる軸索投射刈り込みの可能性の検討
Project/Area Number |
23650206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 文隆 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00202044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 千晶 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90392430)
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Keywords | 臨界期可塑性 / STDP / バレル皮質 / マウス / バレル皮質 / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
マウス体性感覚皮質バレル野において、生後7日目以降、視床から2/3層への直接投射があることがわかった。2/3層錐体細胞よりパッチ電極を用いてホールセル記録を行い、視床刺激による反応を記録すると、単シナプス性の興奮性シナプス後電位(EPSP)が記録できた。この投射線維の終末に、カンナビノイド受容体が機能しているかどうかを検討する目的でカンナビノイド受容体のアゴニストであるWINを投与すると、ほぼ全ての例において、短期的なEPSPの抑制が観察され、カンナビノイド受容体が機能していることが明らかとなった。次に、カンナビノイド受容体依存性にスパイクタイミング依存性可塑性(STDP)が見られるかを検討する目的で、いろいろなタイミング刺激を与えたところ、プレーポスト順でもポスト-プレ順でも長期抑圧を示し、その程度がプレーポスト(ポスト-プレ)の刺激感覚に依存する、逆ヘッブ型のSTDPを示した。一方、生後7~14日には4層-2/3層間にはプレーポスト刺激もポスト-プレ刺激も長期増強を示すヘッブ型のSTDPが働くことを我々は以前に報告した。すなわち、この時期、2/3層へは4層からと視床からの投射が競合し、視床支配から4層支配への回路の書換が行われることが予想される。このことを検討する目的で、視床細胞がGFPを発現する遺伝子改変動物を用いて、生後7日以降の4層、2/3層への視床投射の広がりを調べたところ、生後7日では2/3層全体に広がっていたのが、生後12日では2/3層下部にまで限局されていた。以上より視床投射はカンナビノイド受容体の活性化を介して投射の刈り込みが行われていることが推定された。
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Research Products
(8 results)